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Himmel Vogel  作者: フラップ
Kippen
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戦闘

 空を覆わんばかりの大編隊が北に向かって飛んでいる。


 向こうは覆いかぶさってきた。


 『自由戦闘を開始する。すべての武装の許可及び増槽の投下を許可する』


 分かりきったことを。そんなの誰だってわかっている。


 僕は上昇角を強めた。向こうは80機、こちらが数は不利。


 シノタキはブレイクした。


 向こうに点が見える。


 点はすぐにひし形になり


 ひし形はウェーブのシルエットとなる。


 襲い掛かってきた。


 僕が最後尾。


 つまり、一番狙われやすい。


 ご丁寧に三機も来た。


 そうこなくっちゃ。


 すれ違う。


 三機は流石に危ない。一機減らそう。


 フラップとフルアップの組み合わせで急旋回。


 向こうは速度型の戦闘機だ。まだ90度も曲がっていない。突っ込んだ速度があだになった。


 そのまま背面に入れる。


 撃つ。


 ぴったり。


 先尾翼ごと機首が吹き飛ぶ。


 フラップを戻す。


 失速。


 そのままアップで急降下。


 二機は上でクロスターン。


 一機が突っ込んできた。


 ここは背面に入れて相手を観察するべきだ、と思う。だがこの助言が役に立つことは二度とない。聞こえないし、すぐに死ぬからだ。


 バレル・ロールしながら降下。


 食らい付いてくる。


 スロットルを引いた。


 案の定、敵機は前につんのめる。


 相手は慌てて水平に戻しながらブレイク。


 速度が思ったより速い。勿論、自分がだ。


 機首を起こしながら旋回。中ほどまでに行くときには敵機は横に見える。


 もう一機はやっと降下に入った。


 そのままハイスピード・ヨーヨーで後ろに滑り込む。相手からは自分を見失ったはずの敵機がいきなり後ろに現れたように見える。


 撃つ。


 当たった。エンジンから黒煙を吹き出す。


 さっき撃った一機が爆発するのを確認。


 見物してた一機はもうすぐでこちらに追いつく。


 右に倒し、エレベーターがきき始める直前で左に倒す。フェイントには引っかからなかった。


 仕方ない。


 スロットルを弱める。


 アップ。


 ラダーとエルロンで同時に左に回る。


 木の葉のように軽いスナップ・ロール。


 相手が通り過ぎるまであと少し。


 撃ってきた。全然上だ。


 一周したところでフラップも使ってフルアップ。撃つ。


 射線に飛び込んできた。鉄糸に豆腐をぶつけたように主翼が斜めに千切れとんだ。


 エンジンに当たった一機はまだ飛び続けている。あんなのを墜とすなんて振られたての女を落とすより楽だろう。振られたての女を落としたことは無い。同僚がそう言っていたんだっけな。そう、思い出した、角谷だ。ギザな奴だったけど奇襲で一発で四散した。


 撃つ。


 角谷と同じように四散した。


 他は?


 大分下でシノタキが戦っている。二機を相手にしている。援護に行こう。


 翼を翻し、急降下。


 シノタキは一機の後ろに食らい付く。


 その後ろにもう一機の敵機。


 そのまた後ろに僕。


 牽制に当たらない距離から撃ってやる。


 気づかないようだ。


 シノタキが撃った。


 そのままシノタキがブレイク。撃った弾は当たっていない。


 僕は僕に気が付いていない一機に着き、撃つ。


 一発で爆発。エンジン部が横を通り過ぎた。危ない。


 シノタキがインメルマンで切り返して敵の後ろに食らいつこうとしている。スプリット・Sのほうが良かっただろう。


 ざっと回りを確認。大分減っている。最初の三分の二ぐらいだろうか。


 大分高度が下がっている。爆撃機が遥か上にいる。


 その時、雲の切れ目から上昇してくる双発戦闘機、ジョージを発見した。

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