外の世界・・・?
「キュー・・・」
キューちゃんは相変わらず俺の膝の上でくつろいでなんとも言えない声を出している。
俺はその間、コアで見れるウィンドウを見ていた。
とりあえず、一つ分かったのはこのダンジョンは新人のダンジョンでまだ外の世界には公開されていないらしい。
残り時間はあと7日。あと7日でこのダンジョンは世界に出現する。その時にどんな強者が入ってきてもいいようにある程度強くしないといけない。
俺はとりあえず目下の目標として、キューちゃんを最低でも俺と同じくらいのステータスにすると設定した。
そのためにはキューちゃんを育てるのに必要な魔物の素材が必要になるのだが、本来使えるはずのショップが使えないため、素材を購入することは出来ないのだ。
ちなみに今のDPは100。ボス部屋もキューちゃんも購入費用がなかったため、初期状態のままだ。
そして、使い道としてボス部屋の強化かキューちゃんか俺の強化が挙げられる。
流石に購入費が無料とは言っても強化にはDPは使うらしい。
まあ、それは仕方がない。諦めよう。
ちなみにこのDPはダンジョン内で生物が生命活動を行うか、生物を殺したら貰える。要するに侵入者を飼い殺しにするか、殺せば儲かるということらしい。
しかし今の状態だと外に公開されていないため、侵入者は入ってこない。完全に八方塞がりだ。
詰んだか?
俺はとりあえず、DPは保留にして他に何か出来ないか考える。
「キュー?」
「あぁ、ごめんねキューちゃん。どうやらポイントが貰えないらしいんだ」
「キュー・・・」
キューちゃんは俺の言うことをなんとなく分かっているのだろうか。俺が落ち込んでいると一緒に落ち込んでくれる。
正直、キューちゃんをくれたことだけは邪神に感謝しないといけない。それ以外は許さないが。
その後、俺はこのまま座って考えても仕方ないと思い、とりあえずダンジョンの全貌をその目で見ることにした。
「キュー!」
俺が立ち上がって歩き始めると、キューちゃんも元気そうに俺の後ろをついてきてくれる。
可愛い。前世でこんなペットを飼ってみたかったものだ。
「おぉ、ここがボス部屋か」
コアの部屋を抜けるともうそこはボス部屋になっていた。
ボス部屋の見た目は特に派手さはなく、本当に土の壁でできただけ、みたいな感じだった。だが、なんらかの結界みたいなものがはってあるのか、その中に入ると少し元気が出た感じがした。
「キュー?」
キューちゃんもそれを感じたのか自分の体を不思議そうに動かしていた。
とはいえ、それ以外に特別なところもなかったため俺はさらにその先に行く。
俺がボス部屋を抜けるとそこは入り口になっていて、外の世界が覗いていた。
・・・本当にボス部屋しかないんだな。こんなの5分もかからず攻略終わってしまうぞ。
「キュー!!」
と、そんなことを考えて絶望していたらキューちゃんに叩かれる。
「どうした?何かあったか?」
俺はなぜ叩かれたか疑問に思ってキューちゃんに問いかけると、キューちゃんは必死に入り口の方を指し示す。
ん?なんでそこを見させるんだ?そこは外の世界に行くための入り口だろ?ほら、今でも外の世界が見えてるし。
あれ?
外の世界が見える?
「キュウ」
やっと気づいたか、とでも言いたげな声をあげるキューちゃん。
どうやら俺はダンジョンが狭すぎることに絶望して、重要なことを見落としていたらしい。
外の世界が見える。
つまり、外に出られるということだ。
だが、ここですぐに飛び出していくほど俺はバカじゃない。ダンジョンはまだ出現されていないのだ。もし外に出て帰れなくなったら困るなんてものじゃない。
俺は一旦コアの部屋に戻って、そのあたりを調べられるか確認する。
そして、色々いじくり回していたらヘルプというボタンを見つけた。
俺は3つ以外にいじれる場所があることに喜びを覚えつつ、詳細を確認する。
結論から言うと、ヘルプは俺が知りたいことをなんでも教えてくれる神機能だった。
とりあえず俺は、非出現期間でも外に出て大丈夫かを聞いたら、問題なしということらしい。
それと、この世界の人間の一般的なステータスも聞けたのだが、今の俺と大体同じだった。それに加えてスキルが成人の時に覚醒して、そこで強力なスキルを引いた人間は、何倍、何十倍になるらしい。
つまり、キューちゃんは今の段階では相当弱い部類だ。
このことを知って俺は目標を俺と同じではなく、俺の2倍に引き上げた。
俺と同じでも数人で押しかけられたらたまったものじゃないからな。
「キュー・・・」
キューちゃんもそれを理解したのかかなり落ち込んでいた。
「大丈夫、キューちゃんは大器晩成型だから後々強くなるよ」
俺はそんなことを言い、キューちゃんを可愛いなと思いながら、撫でる。
「キュー」
それである程度機嫌が戻ったのか、嬉しそうな声を出して明るい雰囲気に戻った。
「それじゃあ、外の世界を確認しにいくか」
俺はそんなことを呟いてキューちゃんを連れて入り口に向かう。
外の世界はどんな感じなのだろうか。楽しみだ。




