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ep5 代替制度~修~

物語はここから更に面白くなっていきます!!

二人の人間が一つの身体を使って織り成す「青春」はいかに?!

斎藤 修(さいとう しゅう)は疲れた目を揉みながらパソコンのデスクから目を離す。


政府からこの話をもちかけられた時はどんな面白い体験が出来るんだとワクワクしたが中々に大変だ。

少子高齢化社会の対策として行いたいと依頼され、極秘裏に活動をしている。

修は62歳になる。

実業家でいくつもの会社を立ち上げては成功させ、莫大な財産を手にいれていた。

今は経営も若い人間に任せて時間のある身だ。

子供も独立しており、妻は昨年に亡くなった。

そんな折にこの「高校生に指示をして青春をしてみないか?」なんていう突拍子のない実験を提案されたのだ。

話を聞いてみると、対象の子には3年間のプログラム満了後に資金提供をして欲しいとの事だったが、修にとっては大した金額ではなかった。

もう一度青春体験ができるなんて面白そうじゃないかと考えた修はこの実験に乗ったのだ。


修にはプログラム開始1か月前に有田 優紀についての細かい資料が提供された。

特段秀でた長所もなければ、欠点になる短所もない。

見た目も普通の高校生、有田 優紀は平凡な高校生だった。


そしてこのプログラムには大きな目的がある。

「恋愛」だ。

昨今の若い世代は修の学生時代と違って、交際経験がある人が減っているようだ。

企業の社長をしていた修もそういう時代になっているのはわかっていた。

会社内でもセクハラ、パワハラ、モラハラだのとハラスメントの話しをよく聞く。

センシティブな問題な為、あまり公にはならないが会社のトップである修にはよく一報が入ったいたものだ。

これじゃぁ、コミュニケーションもろくに取れず、恋も簡単に出来ないよなぁとは考えていた所だ。


優紀には知らされていないが、1年ごとに課題もあった。

1年目は恋人を作る事、2年目は1組以上友人のカップルを作る事、3年目は恋人、友人カップルと一緒に卒業する事。

この課題があり、1年ごとにこれをクリアできなければお金の支払いは満額優紀に行われて、実験自体はその年で打ち切るという事だった。

政府も莫大な予算をかけて行っている実験だ、成果が期待出来そうになければ早々に打ち切るという事だろう。

そして、修が無事にクリアすれば最低でも2組のカップルが出来るという仕組みだ。

優紀に何故知らされていないかというと、1年目でわざと失敗するような事をされてそこで実験を打ち切られてから満額の資金を優紀が受け取るという事態を避ける為だ。



実験初日は、とにかく苦労した。

平均的な60代と比べればかなり電子機器にも詳しい修だが、モニターを見て、音を聴いて、指示を話して、パソコンを操作してと目まぐるしくやる事がある中で反射的に優紀のイヤホンに向けて指示を出さなければいけない。

優紀の交流関係も把握していなければならず、モニターを見ながら事前に貰っていた資料を確認して友達、クラスメイトの名前を一致させていく。

そうして、修自身が頑張って指示を出した所で肝心の優紀の反応が遅くなったりとてんやわんやだった。

そんな中でも、修は優紀の眼鏡カメラから映し出される映像の少女に目を奪われた。

黒髪のショートヘアーで笑っている時に目が細くなる子だった。

思い出す、亡くなった妻との思い出を。

修の妻も笑うと目が細くなる女性だった、かといって不細工になる訳ではない、それが可愛いのだ。

修は授業中にその女子の方を見るようにと優紀に指示をする。

授業中であれば周りから茶々も入らないし、優紀も不審に思われないようにか定期的に盗み見しているのでその子を眺められた。

そして、修は決める、この子を彼女にしようと。

それは、62歳の男の一目惚れだった。




帰宅して初日が終わる頃に反省を優紀に色々と話す修。

優紀には政府から基本的にバディとの会話は禁止と言われているのは知っているので、一方的に語る反省会だった。

そして最後に優紀に確認する。


「今日、授業中に見るように指示した女の子の名前は?」


すると、少し驚いた様子の声で優紀が答える。


「園田 由美です。」


「わかった。」


修はこれからの高校生活が楽しみになってきた。

遂に優紀のバディ、斎藤 修の登場です。

これからもっと内容濃くしていく予定なのでよろしくお願いします!!

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