10 まずい空気はよくないのことを招く
相も変わらない空気のまま夕食の時間を迎えた。
「あの、、」
「……」
「……………」
今度は無言合戦だ。
食事のときくらい元気だしてくれよ。
せっかく作った料理がおいしくなくなるだろ?
、なんてこと口が裂けても言い出せねぇよ。
「ごちそうさま。」
珍しく俺が一番に食い終わった。
さっさと準備してさっさと外に出てしまおう。
「ごちそうさま。」
これもまた珍しい、クレアが師匠を抜かしたぞ。
俺が1位、クレアが2位。
今日は師匠が一番遅いのか。 食欲でもないのかな?
俺は急いで部屋に上がり、支度を整える。
今日の修行は長くなりそうなので、少しばかり荷物になるが、
棚からいくつか、魔法書をローブのポケットに入れる。
そして念のための魔水晶も一緒に入れてしまう。
今回は回復魔法も試してみたい。
もちろん詠唱という形ではあるが。
無詠唱は難しいんだよ!
だがもしうまくいけば、かなりの時間を稼げるぞ。
やったぜ!!
「よしっ準備完了。」
今一度身支度の確認をしてから。
「出発するか。」
ドアに手をかけた瞬間、
ドアの方が勝手に開いて驚いた。
「ぷぅおおお!!」
「おいギアァアア!!!」
一瞬魔物に見えた。
じゃなくて、いきなりどうした??
「何ですか?俺もう出るとこなんですけど…。」
「聞いてくれえ、私も…信じられないんだがッ!!!」
「はぁ…俺も信じたくないんで行ってきますね。」
やれやれ、何なんだよ。
俺はまだ、師匠の料理に激辛調味料をいれてはいないぞ?
「クレアのやつがまたいなくなったんだッ!!!!」
もういい加減にしろよ。
反抗期か?
確かにこの引きこもりでうるさくてめんどくさい魔女に
育てられているんだから、反抗したい気も分からんでもない。
というか分かる気しかしない。
だが、何だって俺にまで迷惑をかけるんだ。
決めた。
今回の件が解決したら、いやでも答えてもらおう。
クレア、何でお前はいつまでもそう、ぎこちないんだ?
もっとこう、素直に話してくれよ?
お前が思っているほど、周りは良くないものだらけじゃないぜ?
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