第1話
ピピピピッ
ピピピピッ
「ぅーん」
ピピピピッ
ピピピピッ
「ん〜」
ピピピピッ
ピピピピッ
「...」
「凛ー!早く起きなさいっ!」
「あとちょっとぉ...」
「もうお母さん知らないわよ?」
「ん〜」
ふわぁ〜
そろそろ起きないと...。
今の時間は...
は!?
8時!?
やばいやばい...!
遅刻するぅ。
「お母さん!なんで起こしてくれなかったの!?」
「起こしたわよ。あんたが起きなかったんでしょ」
「へ?あ、はは」
「ほんとにもう。ほら早く準備しなさい」
「はぁーぃ...」
長い黒髪を後ろで束ね、生まれつき...いや生まれるずっと前から赤色の目に黒のコンタクトを入れる。
「いってきまーすっ!」
「いってらっしゃーい!気をつけて行くのよ!」
「はいはーい」
えーっと今の時間は...
時計の針は(4)のところ。
あと10分!?
急げぇー!
8時29分。
着席完了っと。
ギリギリセーフ...。
「おはよ、凛」
話しかけてきたのは後ろの席の本橋楓。
ずーっとずーっと昔からの親友。
「おはよ!楓」
「また寝坊?すごい勢いで走ってくるのが見えたけど」
「げっ...。見てたの...?」
「みんな窓に張り付いて見物してたよ」
「うわぁ最悪...」
「はやく寝ないからいけないのよ」
「うっ...」
「あ、凛。そういえば今日幹部の会議があるから一緒に帰れないわ」
「また?最近多くない?」
「もうすぐサバトがあるのよ。その企画で忙しいの。それに最近治安もあんまりよくないし」
「じゃあ私も今日はパトロールでもしようかな」
「凛は人間なんだからもうそんなにこっちに干渉しなくてもいいのよ?」
「私は“元魔法族の女王”よ?できる限りのことはするの!」
「はいはい。くれぐれも他の“魔法族”とか“魔族”にバレないようにね。あとなんかあったら必ず連絡してくださいませ“月華様”」
「わかってるわよ“徠花”」
私の名前は城崎凛。
ここ“光葉高校”の1年生。
取り柄は...元気なところ?かな?
そそっかしいってよく言われるけど気にしない主義ですっ。
あと天然って言われるのはなんでかよくわかんない。
あ、そういえば今日弁当持ってきてない。
朝忙しかったから仕方ないよね。
うんそうだよ仕方ない。
とまぁこんな私ですが実はある秘密を抱えている。
それは...“前世の記憶があること”
そしてこれは私の壮絶な前世の物語...。