三題噺(冷凍庫 ミカン ブラウン管)
ブラウン管の向こう側。
キラキラ輝く女の子がいた。
アイドルとして絶大な人気を誇る彼女は小鳥遊 幽々(ゆゆ)。
私も悠々(ゆゆ)という名前だがコタツにみかんでだらだらしてる私とは全くちがう世界にいるんだなと思った。
中学最後の冬休みを迎え、ボーとしている私に母はいう。
「少しくらい外に出たら?」
「えー。面倒。」
そう返すと
「そうだよ。出ちゃいなよ。悠々ちゃん。」
母とは違う声が返ってきた。
目線をあげて見ると
「こんにちは。」
半透明の小鳥遊幽々がそこにはいた。
私は流れに身を任せるほうだ。
特に理解できないことに関してはその傾向にある。
その性格は治した方がいいかもしれない。
その性格ゆえにかのじょ小鳥遊幽々の言われるまま外に出てしまった。
寒空の下。震えながらこれまた言われるまま道を進む。
「それでね、私誘拐されちゃって!」
楽しそうに身の上話をする。
いやいや、リアルに犯罪じゃねーですか。
「そして、冷凍庫に詰めれて今めっちゃ寒いの。助けて!」
「助けてって言われても……。」
そんな話警察に言っても無駄だろう。
どうしようか。
どうしようもないな。よし、家に帰って寝よう。
そうしよう。
「こらー!みんなのアイドル。小鳥遊幽々が困ってるのに助けないなんてなくない!」
うん。私別にファンじゃないし。
いいくない?
「見殺しにする気!?」
そういわれると少し良心が痛む。
とはいえ、さっきも話した通り手段がない。
そもそもなんで私なんだ。
「さぁ?気がついたら君のところいたし、ここ私が閉じ込められてる事の近くなんだよね。」
「いやな奇跡だな。」
思わずそう呟いてしまった。
「ほらここ。」
彼女が指さしたのはレストランだった。
「ここの冷凍庫に私がいるの。」
つまり、人が入ってる冷凍庫から出した食品を出してるってこと?
そう思うと吐き気がしてきた。
狂ってる。
「問題はそれをどうやって見つけるか。伝えるか。なんだけど……。」
彼女も結局そこで詰まる。
私にもいい案はない。
もう諦めてほしい。
「まだ、生きてる内に見つけた欲しいな。」
そんなこと言われても……。
「あっ、そうだ。」
彼女はなにか思いついたようだ。
そして、私に耳打ちする。
それ、絶対上手くいかないから!
その時の時間はお昼少し過ぎたくらいだった。
朝職場に来た時、見慣れない冷凍庫があった。
「店長なんで、冷凍庫が増えてるんですか?」
そう聞くが店長は
「いいから。さっさと仕事をしろ。」
と、取り合ってくれない。
私は気になりつつも職場についた。
私はホールなので接客をこなしていた。
お昼少し過ぎたあたり。
休憩に入る。
同僚の一人が例の冷凍庫の前にいた。
「何でここにあるんだろうね?」
そんなこと言われても困る。
「開けちゃう?」
「やめときなよ。」
などと話してると着信が聞こえた。
二人ともスマホをとっさに見るがどうやら違うらしい。
「この中?」
同僚は冷凍庫を指さす。
確かに音は冷凍庫の中から聞こえる。
私たちは意を決して冷凍庫を開いた。
そして、二人した絶叫をあげる。
そこには女の子が入っていた。
「上手くいったかな?」
私のスマホがコール音を鳴らす横で彼女は呟いた。
「上手くいくわけ……」
「あっ、言ったぽい。」
「うっそばい!?」
私の叫び声を無視して彼女は急かした。
「それより、ほら早く。」
私は言われるがまま警察へと繋いだ。
それから早かった。
まるで、巻いて書かれている小説のように早かった。
冷凍庫から見つかった彼女は軽い凍傷で済んだらしい。
犯人の店長は捕まり、店員さんは事件の事情聴取に捕まったらしい。
私も何故か着信入れてたこととそのあと通報した不信行為で聞かれたが素直に答えるわけにも行かず黙秘した。
私が困ってるあいだにあの子は消えてしまった。
絶対許さないぞ……。
それから、数日後。
私のスマホに見知らぬ番号から着信が入った。
「もしもし?」
「こんにちは。幽霊です。」
思わず苦笑してしまった。
最初に書いたのが消えてしまって
疲れたので短く書き直しました




