人生チカクカビン その9
残る問題は、鈴木の脳!
分っていることは。
鈴木の記憶障害は地球人として生きる範囲においては全く問題が無いということと、地球に派遣される以前の記憶一切が、今は空白になっているということ。それから、王子たちとの関わりに関する記憶も時間と共に消えていくということ。合わせて考えれば、宇宙人としての鈴木の記憶に異常が起きているということになる。
宇宙人と地球人。もともと一人なら何の問題もなさそうなものだが・・・。(事実、サンドラ等、他のエージェント達に問題は起きていない。)
「エージェント達の時空移動は、僕の星の科学局が担当だ」・・・王子はある程度、見当がついているらしい。
もともとエージェント達は効率的な時空移動を最優先としたため、身体は現地調達、精神のみ、記憶のみ、転送して移植するという、科学局の最先端技術を採用している。しかし、充分な検証もできてないし、(人ですから+薬品使用ですから)臨床も充分とれていないものを、イキナリ、思いっきり多用するなんて、やっぱり基本、軍人というのはリスクの多い職業なんだなぁ・・・なんて、ため息ものらしいです。特に、工作員だし。
結果、鈴木のように、訳が分らない目に合うヤツも出てくる。
ところで、人間をつくる材料は、ほぼ全て土から調達できる。つくりかたも、原子レベルから再構成すれば、あっというまの作業なので、非常に便利。しかも、万が一、現地人と恋愛・結婚という方向に行っても、身体が地球産なので、なんの問題もないというオマケつき。(勿論、「宇宙在住の両親に会ってください」とか「宇宙へ行って、親との同居希望」は不可になるが・・・)。ハナシが相当逸れました・・・修正、
という事で、一旦故郷へ戻って、科学局のポッドに保管されている鈴木の本体と、その周辺をチェックに行きたいところだが、お手軽転送をされた鈴木及びサンドラは、身体ごと地球を離れる訳にはいかないので、特殊な移動手段を持っている王子とハザマが行くことに・・・。『それからローズ。彼女は・・・どうしよう』王子は思わずため息。
『連れて行っても、置いていってもトラブルメーカーだし・・・。』と、心の中だけの一言。
「う〜ん。ちょっと飽きがきたかなぁ・・・、暑いし、めちゃめちゃ暑いし。PC打つ作業も読む作業も、ダレますね・・・。」
「いえっ! そんな事はありませんんんん! ちゃんとお読みになってる方に失礼ですよ」(ハザマ)
「その通りです。でも、お盆の渋滞を考えると・・・」(作者)
とにかくっ!
「酷暑お見舞い申し上げます」(><) お身体大切にぃぃぃ!!!




