人生チカクカビン その17
しぶしぶダイスは宮殿に向かった。
宮殿の造りは…めちゃめちゃ豪華であった、それは当然といえば当然。星一つの王の住まいであってもスゴイであろうが、ココは格が違うのだ。星雲をいくつもまとめる帝国の都の中心だもの。
それにしても、辺境しか知らないダイスにとって、ここは全てが珍しい、目に新しい。街全体が城と言っていいんだろうが、…人を呼びつけておいて何なんだっ!!
ダイスは全くもって知らないものだが、『ゲーム』という単語がアタマの中に浮かんだじゃないかっ。上官の命令で、ここまで辿り着いたが、鍛え抜かれた彼でも驚愕の旅路であったのだ。
まず、この星に到着するまえに、既にエイリアン連合との戦い。しかも、ただの移動だから、ダイスは丸腰と言っていいような装備しかなかったし、大体、普通は安全に通れるハズの移動空間に、理解不能な侵入方法で、理解不能なバケモノがしつこい程現れた。気合で乗り越えた。そうするしかないだろう。というか、そうして生き延びた。
絶対零度など、あったの? もっと下があるんじゃないの? と叫びたくなった異常な世界も。そして、「もうっ! お料理していい…」と、諦めかけた熱砂の瓦礫群も、越えに越えた。
やっと『歴戦の勇者』になった気分で辿り着いた都は、「何かありましたか?」的な嘯いた空気を漂わせ、ダイスに入国を許可したのだ。
「オレ、確かに『王様』に呼ばれているんだよなぁ…」
不安を感じる位、よそよそしい都…であり、王宮であった。まぁしかし、『宮殿』という建築物で、ダイスが気に入った点が一つあった。
デカイのだ。
造りが全体的にデカイ。
これは、巨大種族のダイスにとって、ありがたいコトだ。今まで、どこへ行っても最大の課題は『白兵戦』であって、更に『建築物内での交戦』であった。身を隠すにも不利、攻撃するにも、身動きの取り難い環境では、やはり不利。
その中で、少数民族の自分の『故郷』の為、あらゆる戦地の最前線に身を置いても生き延びて来たのは、彼が生まれつき身に付けていた『知覚』の異常とも言える程の発達によるものだった。
レーダーであり、ソナーであり、自分を取り巻くあらゆる物を即時に感じ取る、彼特有の能力。…それによって、生き延びてきたし任務を遂行できた。
まさかそれが、王様の呼び出しで最大限に生かされるとは思いもよらなかったが…。
…すみません。
面白いハズのエピソード部分を飛ばしました…。
鈴木、いやダイス、ごめんよ、主人公なのに。
時間が出来たら、スピンオフということで、いずれ又。
…主人公だのに(涙)




