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人生チカクカビン その15

 漆黒の空間に漂う人影が一人。・・・だが、光さえおぼろで、はっきりと確認できない。

 いや、確認する者さえいない。何か、濃密なナニカに包まれ、ゆらゆらと、良く分らない世界で漂っている心地よさが、鈴木を包んでいる。


 闇と感じるのは、瞳を閉じているからだろうか? いや、まぶたでも、光はわかるだろう。が、ここには無い。瞼を開ける必要も感じない。開けてもきっと同じだ。開ける気がおきない。


 重力も無い。


 ここがどこなのか? 自分はどうしてしまったのか? どこへ行くのか?


 ゆらゆらと漂う自分に不安も疑問も湧かない。ただ、こうしているのが気持ちいい。楽と言ってもいい。ずっとこうしていたい。


 手も足も、・・・あ、そうだグラサンも、あるのかどうか分らない。身体とその外界の区別がつかない。触って確認するのもおっくうだ。鈴木は、この人生始まって以来の気持ちよさと開放感のような不思議な感じを満喫している。


「人生始まって以来、というのは間違いですよ、先輩」


「・・・?」


「鈴木というのも止めましょう。ここは地球じゃないんだし」


「ん?」


「ダイス。しっかりしろ、ダイス」


「ん? ああー」


 別に目を開けた訳じゃないが、鈴木の脳には、くっきりと、こういう時に一番接触したくないアホ野郎の声、というか脳波が届いた。長ぁーい金髪と碧眼をチラリと感じる。


「お前、シェスか? まだ、ここにいたのか?」


「いたんじゃありません、改めて来たんです。分りますか?」


「んー」


「先輩、ゆっくりしてると、僕までボーっとしちゃいますから、とにかく行きましょう」


「行く? どこへ?」


 鈴木は、『ふりだし』どころかもっと遠い、原点中の原点に戻ってしまったらしい。が、本人だけが、まだ、理解不能である。

 もう、なんていうか、『理解不能キャラ』という称号を与えたいくらい。

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