表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/24

人生チカクカビン その1

 大変ご迷惑お掛けしますが、本作を幾つかに分けることに致しました。なるべく読みやすい文章作りにしたいのですが・・・。それでもお読み下さろうという方・・・心から感謝します。


 登場人物については追ってご説明いたしますが、今回の主人公「鈴木」と同じ視点になって頂いて、「分からないことだらけ」からのスタートをします。


 ただ、ローズ・ケアレ・スミスという女性について、


 彼女は、古代には地球に咲く単なる薔薇ばらだったのですが、時空を自由に移動できる「王子さま」に出会い、彼のケアレスミスで『人間』になってしまった人物であります。加えて、王子が『平成の日本』に来る時に、ついてきちゃった人でもあります。結構強気で凶暴の気が強い、緑髪の色っぽい女性ということでご記憶頂ければ...。


 あっ、忘れてた。鈴木だ。


 鈴木は地球を救うためにやってきたエージェントなのに、記憶がなくなっちゃって、とりあえず警察官をやっている、ガニマタのつるぴかハゲの大男であります。(敬礼)

 「うるぁぁぁ!!!!」


 何時いつもそうであるように、事件は突然やってくる。


「ぎゃぉぉぉ!!!!」


 平成の平和なカンジの日本の空から、イキナリ怪物かいぶつが落ちてきた。『りてきた』じゃない、まさしく落ちてきた。しかも、何かの反動で吹き飛ばされたと言っていい。平べったい放物線の途中だけ・・・をえがいて、こげ茶色なのか黒なのか区別をつけるには速すぎる勢いで落ちてきた。


 日本の空と言っても、鈴木が勤務する派出所の目の前、つまり東京のド真ん中に怪物は落ちてきたのだ。それも、ゴジランやウルルンマン並のデカさ。建築物及び人的被害は大大大だいだいだい


 しかし、だ。作用と反作用って同時に起きるものではないのか? 何かの反動で飛んできたらしい怪物を吹き飛ばした『モト』が分らない。いや、モトなんか今はともかく、やれることをやらねば。


 …と、鈴木は逃げまどう人々と車の交通整理に身を投げ出している。命がけの交通整理だ。命がけの交通整理・・・思えばそうある任務ではなかろう。「オレまっとうしてみせるぜ!」鈴木の心は燃えた。怪物はすでに瓦礫がれき土埃つちぼこりの中、体勢たいせいを立て直している。


「ちょっと待ちなさいよ! 交通整理もイイけど、アンタならもっとやるべきことがあるでしょ! 何の為の仮の姿なんだぁー!」


 と、女の声。どこから発しているのか分らないが、鈴木の耳にはビンビン聞こえてくる威勢いせいの良過ぎる女の声。


「誰だ?誰だ?誰だーーー!」(メロディつけないで言ってます。)


「誰だ、じゃないよ。この声聞いて分らないようじゃ、アンタもおしまいだよ、リーダー。」


「リーダー・・・リコーダーよりもなつかしいひびき・・・」


「バカ言ってんじゃないって、そんなヒマないんだって!」


 という声と同時に鈴木の目の前には女性の後ろ姿がパッと、まさしくパッとあらわれた。


「ちくしょう! 思ったよりタフだ」


 先程から鈴木の耳に聞こえていた女の声だ。こいつだったか。しかし女は次の瞬間、上空高く飛び上がると、怪物に向かってんでいった。サ、サイア化している・・・(汗)


 そして女がったのか体当たりを食らわせたのか、人間の視点では確認できないが、ふたたび怪物は放物線ほうぶつせんえがいた。

 女は鈴木を知っているらしい。が、当の鈴木は交通整理をしながら「エー、何だっけ何だっけ?」状態。解説者を一名付けて下さい!!! の気分。

 あの人マジックの助手か雑技団員ですか? と言いたくなるようなしゅと銀色のチャイナなイデタチの女は、後ろで一つにくくった髪だけが重力を反映させて、ふたたび空中から鈴木の前に現れるとあきれたふうのため息をついた。


「ホントに王子サンの言ったとおりだ。マジ忘れてる。が、待ってらんないから実力行使じつりょくこうしだ。悪く思わないでよリーダー。んじゃ、ケツ・キ―――ック!!」


「んあぁぁ―――!?」


 鈴木の臀部でんぶに切り込む様な痛みが走る。と同時に地面が遠く遠く・・・って、鈴木がくるくる回りながら空を飛んでいる。思えば怪物と同じ放物線ではなかろうか。


 っていうか、鈴木の目に怪物がどんどん大きくなる。どんどんどんどん、大きくなってゆく―! そして次にはパーツしか見えなくなるぅ―!! パーツもデカくなる―! もう鈴木の視界しかいには怪物の手のみ、てのひらのみしか入らない。まるで鈴木はグローブにおさまろうとしているホームランくずれのボールみたいではないか。


「んぎゃぁぁぁ―」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ