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暴食の剣と歪の王  作者: 紫禁城
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GOOD DREAMS

 平成の世に生きる平凡な若者である自分が、どうして陽も登らないうちから上半身裸で一心不乱に剣を振っているのだろう?


 時間の感覚が麻痺しているからどれくらい時間が経ったかわからないが、手の皮がボロボロになっているのでかなりの時間素振りを続けているような気がする。


これは夢ではないかとも思ったが、ありがたくないことに全身の痛みがこの状況が現実であることを嫌というほど教えてくれる。


 ことの始まりは何だっただろう?


 

 飢えているのか


 渇いているのか


 或いはその両方か


 ーー努力は報われる、諦めなければ夢は叶うーー


 誰が言いだしたのかわからないが、そんなモノは成功者だから言えることだ。


 幼少の頃から努力が報われたことがなく、幾度となく夢破れてきた今の自分とって、そんなきれいごとはどこか遠い世界の言葉にしか聞こえない。


「貴方、ずいぶん長いことジレンマを抱えて生きてきたのね」


 視界は閉じられていたので声の主の姿が見えないが、頭の中に甘ったるい声が響く。


 確かに今まで現実に打ちのめされる度にもう無駄だと思いつつも、糸よりも細い希望を信じて立ち上がって生きてきた。他の人間が報われるのを横目にだ。


「それなら奪っちゃえばいいんじゃない?」


 パチンと指を鳴らした音がしたかと思うと、黒く塗りつぶされていた視界に光が差した。

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