表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

秘密戦隊

作者: 神田川一

自宅警備員シリーズ、三作目!?

「ありがとう、イエロー。オレたちは、君の尊い犠牲を決して無駄にはしない」

 丘の上。リーダーのレッドが、燃え上がる敵の基地を見下ろしながら、その方角に向けて敬礼した。


『おい、何が尊い犠牲だよ! オレだけ敵地に、置いてきぼりにしやがって!』

 近くの無線機から、抗議らしき声が聞こえてくる。


「あー、今なにか聞こえた? 空耳だよねー」と、ピンク。


「ああ、空耳空耳。イエローはもう、星になったからな」と、ブルー。


「ああ。彼のお蔭で、オレたちは無事に脱出できた。感謝しないとな」と、ブラック。


『オレを囮に使いやがって! テメーら全員、後でゼッテェぶっ殺す!』


「イエローのお墓には、大好きだったカレーを供えてあげようね❤」と、ピンク。


『イエローだからって、人を勝手にカレー好きに設定すんな!』


「別に墓なんて、要らなくね? 遺体は無いんだし」と、ブルー。


「それにあいつは、DQNだったしな」と、ブラック。


『墓と学歴は、関係ねーだろ!』


「はっきり言って、負け組だよねー」と、ピンク。


「それに、元ニートだったしな」と、レッド。


『自宅警備員だ!』


「それじゃ帰ったら、祝勝会やろうよ。ボーナスも出るだろうし」と、ピンク。


「お、いいねー。貸し切りで、世界平和万歳と盛大にやろうぜ」ブルーが指を鳴らす。


「オレはボーナスで、車買うわ」と、ブラック。


『無視すんな!』


「いよいよブラックも、ペーパー・ドライバー卒業かぁ」レッドが口笛を吹く。


『テメーらなぁ!』


「んじゃ、とっとと帰ろうぜ。忘れ物ねぇな?」ブルーが踵を返す。


『あるだろ!』


「無いよー❤」と、ピンク。


「んじゃ、撤収ぅー」と、レッド。


 そして。イエローを除く秘密戦隊ゴレンジャは、壊れかけの無線機を残して帰路についた。


『テメーら、楽に死ねると思うなよ!』


 それが、無線機から聞こえた最後の声だった。

 それからほどなくして。敵の基地は盛大に爆発炎上。

 イエローが星になったのかどうかは、誰も知らない。


 秘密戦隊ゴレンジャ。すでに五人ではなくなっているが、彼らの苛烈な戦いは続く。


感想をお待ちしておりますm(__)m

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ