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  作者: 菖蒲
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決意

激しい風が路地を吹き抜ける

荒々しい波が海で暴れまわる

人々は喧騒の中日々を暮らす


それが、その小さな国のつまらない日常だった


しかし、その国には日常でも

他国には日常ではないのが

ここのただならぬ夜の闇の深さであった


まともな人なら誰も外に出ようとは考えもしない

するはずがない


恐ろしい鬼が闊歩する夜は

日々を暮らすがやっとの人々には生きられる時ではない


だが


まともでない人もいるのが世の中である

夜を旅しようという一人の男が

ある夜家の扉を開けて闇へ踏み出した


どれだけ歩もうと何も起こらない

そこはありえないほどの静寂の中で

見慣れた家並みが、何やら違う場所のように見えるのだが

しかし、何もない

初めての夜闇は美しい日の出とともにあっけなく終わった


男は、噂はただの脅しだったのかと少々落胆した

なんといっても変わり者だから

ほっと、は、しなかった

むしろ何か起こってほしかったのだ


しかし、昼間は煩いくらい元気のよい街人がここまで頑なに畏れる夜に何もないなどという結論はないはずだと思った男は、毎夜外に出ることを決めた


ついで、日記を書くことも決めた

何か、歴史に名でも残せないかと、ふと思ったからであった


そして、男は夜と向き合い続けることとなる

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