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特別なんて大嫌いだ……  作者: 夜つ七
とりあえず異世界に
10/12

第七話……落ちた先には?

マジですみませんでした!!

バカみたいに遅いです!!

まあ……もう一つに比べればまだマシですけど……ははは

ごめんなさい……アイデアが浮かばない上にマジで家計厳しいんです

もう少しだけ待ってください

前回、腐った床を踏み破り、下の階に落ちてしまった昴……



Q.彼はいったいどうなったのだろうか?



A.落ちた後気絶し、気付いたら……保健室っぽい部屋にバスタオルのまま寝かされてた



「……(俺、何でこんな事になったんだろう?)」


本当に……最近運が悪いよ……もう本当に悪い……

最初はトラックに潰された……次は処刑されかけた…………次は…………言うのも疲れる程あります


そんな事を考えていると、背後から扉が開く音がした……



「ん? 気が付いたみたいだな。いきなり降ってきた時は驚いたぞ?」

「……だ、誰?」



後ろから声が聞こえビビりながらもなんとか振り向くと……



ムカつく通り越して見とれちまう程綺麗な男がいた



光がないのに輝いて見える綺麗な白の髪、優しそうな……だが強い意思を秘めた紫の瞳

そして、女性的な顔立ちなのに……俺とは違って凛々しく、一目で男性だと分かる



……God, Why do you discriminate? Height or figure chiefly ……(神よ。何故貴方は差別するんですか? 主に身長とか容姿とか……)




「どうした? 急に膝をついて泣くなんて……どこか痛いのか? 見た所怪我はなかったんだが……中を傷めたのか?」

「自分の容姿とアンタの容姿を比べたら悲しくなっただけだよ……ぐすっ」

「……よく分からんな」




分かってたまるか……スゲーモテそうなアンタに分かってたまるか……

「昴君の事男に見えないんだ。というか、妹キャラ?」とか真剣に告白したら言われた人間の気持ちなんて分かるかぁ……!




それから5分…



「落ち着いたか?」

「……うん」



うん、思い切り泣いたらスッキリした……



「……まあ、とりあえずなんだ。流石にバスタオルのままだと寒いだろう。ほら、俺の古着で悪いが替えの服だ」


世の中にこんないい人っているのか




= = = = =




さて、着替えてみて思った事がある。たった四文字で済む簡単過ぎる感想だ





【前!言!撤!回!】



「なんだよこの服?! アンタのお古じゃないのかよ?!」



白いワンピースと可愛らしいリボン付きの下着、鈴の付いたリボン


なぁ、あのかっくいいお兄さんが何でこんな物を用意した?



「似合ってるじゃないか。何が不満なんだ?」

「不満だら『ミシミシ…』けだ!! というか、さっきまでの常識人(?)っぷりはどうした?! アンタが女装する趣味があるとか誰も予想しねぇよ?!」

「わ、私だって好きでこんな服を持っているわけじゃない!! 単にこの恰好の方が食事をしやすいだけだ!? お前も魔族ならわかるだろう!?」

「分かってたまるかド変態野郎!! 何が『ミシミシ…』食事だ?! 食事に服装とか関係ねえだろ?!」

「大いにあるんだ! いいか? 私は吸血鬼だ。……これだけ言えば分かっただろう?」


なんだろう? 何を別れというのか俺にはさっぱりだ

あと、さっきから上でミシミシとか聞こえるのはなんだろう?


「とりあえず吸血鬼だからって言われてもわか『ミシミシ…』んないって……まあ、魔族に変態が多いのは分かるけど。姫さんと『ミシミシ…』か、兵士の方々とか……まだアルフレットさんはマシだけど」

「うげぇ?!」



…………うげぇ?

今のこの人が言ったのか? この変態美形野郎が言ったのか?


「あ、アルフレ『ミシミシ…』ットを知ってるってことは……お前、オルカの知り合いなのか?!」

「え、うん、まあ。って、何故そんな嫌な顔をする? もしかして……知り合い?」

「不本意ながらな。オルカは……オルカ・ヴァン・アルトセルクは……俺の『ミシ…バキィッ!!』「きゃああああぁぁぁぁ!!?」「ぐげぶっ?!」……出やがったな。大馬鹿能無し塵芥ちりあくた以下の超ド変態妹が!!」

「イタタ……あ、そこにいるのはひきこもりでホモで12歳以下の男の子しか興味のない上に女装趣味まである血を分けているのが信じられない位出来の悪いスカサハ兄様じゃないですか?!」

「誰がホモで女装趣味だ!!」

「誰が塵芥以下のド変態ですか!!」

「……い、いいから早くどいて」





=  =  =  =  



「つまり、このかっくいいお兄さんは姫さんのお兄さんで、アルフレットさんの幼馴染と……どうりで変態な訳だ」

「誰が変態だ?!」

「ひきこもりでホモで女装趣味の時点でもう救いようがないぞ?」

「だから誤解だ!」


その後。顔を真っ赤にしてお兄さんは教えてくれた

自分がどれだけ哀れな生き物なのか……


「つまり……吸血鬼が吸う血にも色々があって、お兄さんは男の血じゃないとエネルギーにならないのか」

「そうなんだ! だが、俺がこのまま人里に下りても……何故か女子に囲まれて男に近寄ることができないんだ」


絶対にかっこ良過ぎるせいだ


「だから、女性の姿をして女子から逃げてるんだ。ついでに男も寄ってくるから一石二鳥♪」

「じゃあ、12歳いかなのは?」


……?

何故か急に震え始める


「い、いやなに?! 別に暗がりに連れ込んで血を頼んだら『男でも構わない。血を飲まれても構わない。だから、結婚してくれ』……とか言われても怖くなんてないんだからな?! 子供ならそんな事がないから安心できるとかそんな情けない理由じゃないから……は、はは、はははは」


何故だろう? 彼を見てると肩に手を置いて慰めたくなるのは?

というか、他人事に思えない


「そういえば……でも、ひきこもりなのは何故」

「…………外に出ると、毎回、城の前に男がいるんだ。……タキシードにカード付の花束を持って「でもそれなら他の人かも……」カードには……『交際を前提に結婚して☓☓してください』って……う、うぅ」


何故だろう? 掛ける言葉が何一つ浮かんでこない


「昴さん、そんなダメ兄様の話を聞く暇があるのなら私の部屋ででいい事しましょうよ~♪」

「え、なに? 聞いてなかった? えっと、スカサハさん、これからは俺の血飲んでの良いから……とりあえずこんなジメジメした部屋から出ましょう?」

「…………ジメジメしてるのは、オルカが浴槽を破壊したからなんだがな」


……つくづく可哀想な人だと思った

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