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高嶺の花と無自覚なライバル  作者: はるさんた


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2/23

「文化祭、三角関係の大騒動!」


学園の文化祭初日。広場には色とりどりの屋台が並び、生徒たちの笑い声と活気であふれている。


黒髪に青い瞳のレイナ・フォン・シュヴァルツは、いつも通り完璧な制服姿で歩き、展示や屋台の準備も手際よくこなす。長身でスラリとした立ち姿は、学園でも「完璧」と称されるほど。


一方、肩までの栗色の髪を軽やかに揺らすミラ・フォン・リーヴァは、手作りのクッキーを抱えて駆け寄る。

「殿下、おはようございます!今日は文化祭、楽しんでいらっしゃいますか?」


殿下ことエリオット・フォン・アルトハイムは、緑の瞳を細めて微笑む。

「おはよう、ミラ。楽しむ…かな、君のおかげで、ね」


ミラは前回の花束の失敗を気にせず、さらに張り切る。

「殿下、もしよろしければ、このクッキーも召し上がってくださいませ!」


しかし、手元が狂い、クッキーの入った箱はレイナの足元へドサッと落ちる。

「わっ…!す、すみません、レイナさま!」


レイナは眉をひそめるが、優雅に拾い上げ、微笑む。

「ありがとう、ミラ…あなたらしいわね」


殿下は微笑みながら困惑する。

「ふふ、ミラは明るくて楽しいね。でも、レイナの美しさには誰にも敵わないよ」


ミラは一瞬うっとりするが、すぐに奮起する。

「そ、そうでございますか…でも、私もめげませんわ!」



---


文化祭では、三人の小さな騒動が次々と巻き起こる。


ミラの屋台トラブル

手作りポップコーンが爆発して周囲に飛び散り、他の生徒たちから歓声と笑いが。

レイナは冷静に拭きながら、淡々と指示を出す。

「ミラ、落ち着いて。手伝いましょう」


殿下の困惑

緑の瞳をレイナに向けつつ、ミラの天然行動に小さく笑う。

「君の無邪気さには救われる部分もあるけれど、やっぱりレイナがいると安心するね」


ミラのリベンジ作戦

今度は殿下にクッキーを直接渡そうと試みるが、通りすがりの生徒にぶつかって、またしても失敗。

「うぅ…また失敗!」




---


文化祭の終盤、三人は広場の中央で並ぶことになる。

レイナは落ち着いて手を胸に当て、殿下の腕に軽く触れる。

「殿下、本日はお楽しみいただけましたか?」


殿下は微笑み、両者を見比べる。

「十分だよ、レイナ。でもミラも明るくて楽しいね」


レイナは腕組みをしたまま微笑み、少し首を傾げる。

「あら?殿下、私とミラ嬢を比べていらっしゃいます?」


殿下は少し赤面しつつも、微笑んで答える。

「比べているわけじゃないよ。ただ、レイナの美しさには誰にも敵わないし、もちろん、ミラも明るくて楽しいけどね」


ミラは「わぁ!」と目を輝かせ、レイナは軽くため息をつきつつも微笑む。

こうして、文化祭の一日は、完璧な悪役令嬢、無邪気でドジな男爵令嬢、そして両思いの殿下による、笑いと甘さあふれるドタバタ三角関係で幕を閉じた。



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