告白の午後、紅葉に染まる想い
秋の午後、王立学園の庭園にある静かな中庭は、落ち葉の絨毯に包まれていた。
アーロン・ラングレー侯爵とミラ・フォン・リーヴァは、少し緊張した面持ちでベンチに座る。
「ミラ嬢……少しお話してもよろしいでしょうか?」
「はい……アーロン様」
ミラの声は少し震えていたが、その瞳には期待と好奇心が混ざっていた。
アーロンは深呼吸をひとつして、真剣な目でミラを見つめる。
「君と過ごす時間が、僕にとって特別で……毎日が楽しい。笑顔も、仕草も、全部が愛おしい」
ミラの頬が赤く染まり、心臓が早鐘のように打つ。
「……あ、ありがとうございます……アーロン様……」
「いや、ありがとうじゃない……僕の気持ちを受け取ってほしい」
ミラは驚きと幸福で息をのむ。
「……受け取る、ですか……?」
「そうだ、ミラ嬢。僕は君のことを……特別に思っている。好きだ、ミラ嬢」
その瞬間、温室のガラス越しに差し込む光が、紅葉の色を反射して二人を包む。
ミラは胸がいっぱいになり、少し言葉が出ない。
「……あ、あの……わ、私も……アーロン様のこと、好きです……!」
アーロンは微笑み、そっと手を伸ばしてミラの手を握った。
「……これからも、ずっと一緒にいてくれますか?」
ミラは小さく頷き、アーロンの手を握り返す。
「はい……もちろんです……アーロン様」
庭園の向こうでは、レイナ・フォン・シュヴァルツとエリオット・フォン・アルトハイムもベンチに座り、互いに手を取り合っていた。
「殿下……こうして触れ合うと、胸が温かくなりますわ」
「君といると、心まで温かくなる」
レイナは少し頬を赤らめ、微笑む。
アーロンはミラの肩にそっと手を添え、視線を合わせる。
「ミラ嬢……君の笑顔が、僕にとって一番の宝物だ」
「わ、私の笑顔が……アーロン様の宝物……ですか?」
「そうだ。君が笑ってくれるだけで、僕は幸せになれる」
ミラは目に涙を浮かべながら、少し顔を背けて笑う。
「……アーロン様……そんなことを言われると、胸がいっぱいです」
アーロンは優しくミラの顎を持ち、顔を向けさせる。
「だから……これからもずっと、君の隣にいたい」
その言葉に、ミラは思わず顔を近づけ、アーロンの目を見つめ返す。
「……私も……アーロン様の隣に、ずっといたいです」
アーロンは微笑み、紅葉の舞う風の中でそっと唇を重ねる。
初めてのキスは、優しく温かく、胸がじんわりと熱くなる瞬間だった。
その横で、レイナとエリオットも甘い時間を重ねる。
「殿下……今日、こんなに優しくしてくださるなんて……」
「君が僕を笑顔にしてくれるからだ。君と一緒にいると、自然と優しくなれる」
レイナは少し照れ、エリオットの胸に顔を埋める。
「殿下……私も、ずっとそばにいたいです」
「もちろんだ。君といる時間が、何よりの幸せだ」
アーロンとミラは手をつないだまま温室を出て、庭園の小道を歩く。
「ミラ嬢……今日は、本当に楽しかった」
「わ、私もです……アーロン様と一緒ですと、安心します」
二人の距離はさらに近づき、互いの手の温もりを感じながら歩く。
午後の光が紅葉を照らし、二組のカップルを優しく包む。
落ち葉の舞う音、柔らかい風、そして互いの鼓動が、心地よく響く。
アーロンはミラの手を握り、そっと耳元で囁いた。
「これからも、君をずっと守る」
ミラは顔を上げ、微笑む。
「はい……アーロン様」
レイナとエリオットも、庭園のベンチで互いの手を握り合い、柔らかな笑い声を響かせた。
「殿下……今日の午後は、特別に甘いですね」
「君と一緒だからだ。君の笑顔がすべてを輝かせる」
二組のカップルは、互いに手を取り合い、胸の内にある想いを確かめ合った。
秋の陽だまりに包まれた庭園は、恋の温もりで満たされ、甘く幸せな時間がゆっくりと流れていった。




