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9話 寂しい話し





「「2人とも凄いです!!」」

「「特にイブさんの鮮やかな剣技には、見蕩れました」」


「瞬殺ですよ、瞬殺!!」



巨大スライムを倒した後、キャロットさんは私達にそう言いました。





「エヘヘへ…」

「そんなに、凄くないですよ」 


私は、照れながら謙遜する。



「相変わらず、流麗な動きね」

「でも、私も奥義を使って一発で蒸発させる事も出来るんだからね」


そして、さりげなく張り合うルイア。



ここ最近で、腕が上達したルイアも奥義が使える様になっていたのです。

まぁ、披露する機会はなかったが…



「ルイアも、完璧な防御だったわよ」

「私は、あそこまで魔法を自由自在に使う事は出来ないわ。有難う」


私は、ルイアにお礼を言う。



「私もイブの様な流麗な動きは、とても真似が出来ないわ」

「流石ね!!」


「有難う」

「でも、私の技は全部地味だから…」

「私も、ルイアの様に派手で格好良い魔法を使ってみたいわ」



私達は…奥様達の会話の様に謙遜しながら、お互いを誉めあっていた。







         「よくやった、お前達」






「あっ、コーレン副団長…」(私とルイア)







「お前達の成長速度は、目を見張るものがある」


「もう騎士として一人立ちするには、十分な力だ」



「いや、十分すぎる程だ…」


「もう、バルモよりも強いんじゃないか?」






            「…」(私)






コーレン副団長には、殆ど誉められた事はありませんでした。

いつも、指摘ばっかりでしたし。

なので、誉められた事はとても嬉しかった。



ですけど…






「お前達には、期待している」


「こらからも、このパーシャ騎士団の事を頼んだぞ」









辺りは-


陽も暮れ始めて、夕方になっていました。

夕陽に晒されて、その様に言うコーレン副団長の姿は、どこか寂しげな雰囲気を纏っていました。




「…」(私)



いや、私自身が寂しく感じているのかもしれない。




…寂しい話しとは、今日でコーレン副団長は、この第2分団から離れてしまうのです。私とルイアは、つい先日にコーレン副団長とサニーさんの教育を卒業していました。


コーレン副団長は、お役御免という感じですね。



それは…一人前の騎士として認められた事になり、とても喜ばしい事なのですが、やっぱり寂しいものです。コーレン副団長は騎士として、尊敬していましたし…とても頼りになるお方であり、もっと近くで一緒に仕事がしたかったので、残念です。




そして、ルイアも…



いや、ルイアは…私以上に、寂しそうでした。







          何故でしょうか―?






フフフフ…


まぁ…でも、コーレン副団長は第2分団からは離れますけど、パーシャ騎士団には、いますからね。望みは薄いけど、無くなった訳じゃないからね。貴方の恋を変わらずに応援しているわ。


だから諦めないでね、ルイア。






あと…コーレン副団長が第2分団から離れる理由として、勿論…私達の教育を終えた事もありますが、他にも理由があります。それはパーシャ騎士団の中で、いや…この王国の騎士団の中で、大きな人事の異動があった事が挙げられます。


まぁ…その関係で今夜、パーシャ騎士団のある人の送別会が行われるんですけどね。その準備の為、バルモとサニーさんは早く町に戻ったのでした。











      「カァカァカァカァカァカァ―」



    「ヒュウウウウウウウウウウウウウウ―」







―遠くの空で、烏が鳴いています。


私達も今日の任務を終えて、帰路に着く所でした。






見渡す限りの…


大草原を行く私達。





赤々と、どこまでも天高く真っ赤に染め上げた夕焼けの空は



毎日、見慣れた景色のはずなのですが







     今日は、いつになく綺麗に感じました。








この町はパンも旨いですが、夕陽もとても綺麗な町なのです。






「…」(私)





いや、夕陽は…どこから見ても綺麗なものですよね。


しかし―


そう感じてしまう程、その情景は私の胸に突き刺さっていました。












         何故でしょうか―











          (ルイア…)










          (ルイア…)










          (ルイア…)






私は、少し離れて…


前を行くコーレン副団長に聞こえない様に、ヒソヒソとルイアに話し掛ける。キャロットさんは…私達の後ろの方で、黙々とメモを取っている。


多分、今日の任務での事を書き記しているのでしょうか

(…だと思いますけど) 


相変わらず、勉強熱心ですね。

とりあえず、それに集中してそうだし大丈夫でしょう!!






「何、イブ…?」


「コーレン副団長に今、告っちゃえば…?」



「「ブウウウウウ―!!」」 


ルイアは、軽く吹いていた。



「な、何を言っているのよ!!」


「ごめん、ごめん」

「だけどさ…」

「今を逃すと、これから先はチャンスが少なくなるんじゃないの?」


私は冗談ではなく、半分本気で言っていた。




私とキャロットさんは離れているから…

だから…ねっ!!





「そんな、勇気ないわよ…」


ですけど、ルイアはそう言って断っていた。

絶好のチャンスを…ルイアの意気地無し。





        「告白するんですか!?」





「!!」(私とルイア)


キャロットさんは、いつの間にか私達の隣に来て、そう言った。

本当、いつの間に…



 

       あの~、今の話し聞いていました?





(コクリ―)


キャロットさんは、頷いていた。完全に油断していました。




「私にも、何か協力出来る事があったら言って下さい!!」

「応援しますから!!」


キャロットさんは、ヒソヒソ声で真剣な顔をして、言いました。




「…」(私)


アラっ…でも良かったじゃないの、ルイア。

協力者が増えましたし。




「ルイアさんは、告白する勇気がないんですね。それじゃあ今度、勇気を出す薬を作りますね。それとも、コーレン副団長に惚れ薬を飲ませますか!?」


キャロットさんは、相変わらず真剣な顔で言う。




「…」(私とルイア)


あの~、やっぱり気持ちだけで大丈夫です。


実際、そう口には言わなかったが、私とルイアは表情でそう答えていた。










そして-


そろそろ、私達が町に着く頃でした。







      「「ザッザッザッザッザッザッ―」」


      「「ザッザッザッザッザッザッ―」」






私達の町に向かっている騎士の隊列を目にした。


また、他の町から騎士の増援が来たのです。





この前も来ましたし…


日に日に、それが顕著に見られる様になっていました。


どうして、こんな辺境な町に多くの騎士の増援が来るのでしょうか…








これは今、気に掛かっている事になります。












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