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46話 情報収集(後編)




        「ペチャクチャ、ペチャクチャ…」


        「ペチャクチャ、ペチャクチャ…」




「…」(私)



それから、あとですが…

『カコシ』については、お喋りが好きそうなオバサンから追加情報を教えて貰いました。




『カコシ』については…


今でこそ放置されている状態ですが、その昔は王国も調査をしていたみたいです(最後の調査は、今から100年以上前との事ですが…)



勿論、その調査でカコシの元凶となる『呪具』の発見には至らなかったのですが、分かった事もあったそうです。カコシは、呪いの霧とされていますが、その正体は…禍々しい効果を持った魔法薬を霧状にしたものみたいです。




俗にいう『呪薬』みたいですね。




そして…


それらはこのパーシャの町の地表から、定期的に霧状になって噴出しているらしい。普段のカコシは、このパーシャの町を覆うくらいですが、数十年に一度の頻度で大量発生する事があり、特にバルキード王国の方に流れ込んで、大きな被害を出しているとの事です。





(ふ~ん…)




(カコシは、バルキードにでも恨みがあるのでしょうか…)






「オバサン…この町で、どこか怪しい場所とかはあるの?」




「勿論、あるわよ」

「この町の丘の頂上にある廃墟となった教会ね。時間が経った、今でも当時の姿を保ち続けているわよ」




「ふ~ん、そうなんですね…」







           (丘の上の教会か…)






この教会はー


町の人達からは “慟哭の教会” と呼ばれているらしい。

その理由は、真夜中に誰もいないはずの廃墟になった教会から、うめき声や叫び声が聞こえてくるみたいです。





「当時の王国の調査団も…そんな怪しい場所を聞いて、調査をしたみたいだけどね。ある時、教会に行った調査団が全員、行方不明になる事があってね。その後、1人は教会の近くで焼死体となって発見されたんだけど…そんな事があって以来、誰も怖くて…あの教会には、近付かないのよね」




「ふ~ん、そうなんですね…」








            「…」(私)







早速、怪しい場所を発見しましたね!!


いやいやー

これは、もう答えを見つけたに等しいですね。ゼニィーのバリアがありますので、あとはゆっくりと…その “どうこくの教会” とやらで、呪具を探せば『カコシ』は、どうにかなりそうですね。とりあえず、ゼニィーに教会の中を探して貰って、私はその周辺を探せば良いかしらね。


えっ―?


私は『教会の中を探さないのか?』ですか。


だって、怖いですから…




「ゼニィー、お願いがあるんだけど…」


「んっ、ゼニィー…」





「…」(私)






             (シ~ン…)






ゼニィーは、いつの間にか消えてました。

私の考えを先読みして、逃げたのでしょうか…









因みに…


『カコシ』には、その他にも特殊な効果があるみたいです。


それは、この『カコシ』の霧が噴出する呪われた土地柄の為か、ゴブリンなどの害獣がこの町の周辺…2~3km圏内には、嫌がって近付かないそうです。


つまり、害獣避けの効果もあるみたいですね。


そして、盗賊も同じく近付かないとか。

盗賊は、この王国のどこにでもいる…人を襲ったり、物を奪ったりする悪い人達みたいなんですが、この町には入る事が出来ないみたいです。


それは…この『カコシ』の効果が、まだ世間に知れ渡る前には、盗賊もこの町に何度かやって来たとの事です。まぁ、この王国を守る騎士や冒険者が入って来れない町なので…他の町と比べて、襲い易いというのもあったのでしょうか。





しかし、それは出来なかったー



盗賊達がこの町に入った途端に、地表から大量のカコシが発生して、盗賊達を一瞬で呪い殺してしまったとの事です。古傷が有る無しとか、一切関係無く…皆殺しだったみたいですね。






(カコシは、盗賊に恨みでもあるのでしょうかね…)






と…まぁ、こんな『カコシ』の効果のおかげで、古傷が無い人にとっては、それなりの平和は保たれているとの事です。あとですが、天候がいつも悪い割には、作物の育ちも良いそうで…これも『カコシ』の効果とも言われているとか。





「まぁ、平和と言ってもね~」


「出来る作物は、育ちが良いだけで味が薄いし…天気がいつも悪いのと、カコシが出ている間は、しばらく外に出れないからね。それらを全部、我慢すればの話しだけどね。古傷が無い人でもカコシに触れたら、全身筋肉痛で数日間は動けなくなっちゃうのよ」




「そうなんですね…」



(味が薄い…私の召喚した魚みたいな感じでしょうか)








「でも…その割には、美味しそうなパンが露店に売っていましたけど?」


(まぁ、食べてはいませんけどね)




「それは、パン職人の腕が良いからよ」

「この町は、昔からパンが旨い町で有名でね。それは、この町の唯一の自慢だからね。呪いなんかに負けてられないのよ!!」





「な、なるほど…」






「誉めてくれて、有難うね。とても、嬉しいわ」






「いえいえ、そんな…」














「カラン、カランー」




私は本屋から出て、外にいました。


珍しく雨は、上がっています。ドンヨリとした雲が空を覆っていますが、そんな雲の合間から僅かに…日が差し込んでいる。




「ピチャピチャピチャピチャ…」



私は傘をいつでも差せる様に、畳んだ傘を片手に持ちながら、レンガ造りの風情ある町中を散策していきます。雨で濡れた路面は、日差しに反射してキラキラと輝いている。そして…至る所にあるレンガの建物達は、鮮やかな赤茶色に染まり、それはまるで…






山並を優美に、染める紅葉を見ているかの様な




とても綺麗な景観です。





(テクテクテクテク…)




私は、その内にメインストリートから細い路地に入って行きます。



そんな日差しに照らされた町は、どこか…



私を懐かしい気分にさせますね。











私もかつて、この町の道を歩いていたのでしょうか―






随分と昔に…







思い出しそうで、思い出せない。





    「キラー」  「キラー」  「キラー」





        「キラー」  「キラー」





   「キラー」   「キラー」    「キラー」





      「バサバサバサバサバサバサー」









それは、そうとですが…


建ち並ぶレンガ造りの家の窓には、洗濯物が沢山干されていますね。

皆、こんな天気を見逃さずにせっせと、洗濯物を干しているみたいです。



洗濯物が、湿った暖かい風に吹かれて



バサバサと気持ち良さそうに靡いている。





(天気がいつも悪いと、中々大変そうですね…)




「…」(私)



オバサンの話しを聞いた限りですと、この『カコシ』は良い霧なのか、悪い霧なのか…何かよく分からないですね。勿論、呪いなので…悪い霧だと思うのですが、私はモヤモヤとした気持ちでした。


とりあえず…


この身体の人物『イブ』という少女の素性も知りたいわね。




良い感じの天気になりましたし…

町の人達に聞き込みをして情報を集めてみますか。



あ~、それと…

結局、ゼニィーはどこに行ったのかしら?


もしかして…

主人である私の考えを察して、先に聞き込みに行っているのかしらね。

だとしたら、とても優秀な従魔ね!!






「うううう~ん」




私は、僅かに差し込む光に向かって、伸びをします。


久しぶりの日差しにウキウキしながら、いざ聞き込みを開始です!!



















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