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44話 悪夢 





「ザアアアアアアアアアアアアア―」



「ゴロゴロゴロゴロ…」




外は、相変わらずに雨が降り続いていました。


昨日…窓があったはずの場所からは、降り続く雨の音がよく聞こえます。


音を遮る物が、無いですからね。




そして、遠くの方で雷鳴も聞こえるー





「ザアアアアアアアアアアアアア―」



「ゴロゴロゴロゴロ…」






「…」(私)




私達は、昨日もお世話になった廃墟の部屋にいました。


今日は…昨日の様に、ベッドはありません。



ですので、昨日ベッドがあった場所にレジャーシートを敷いて、その上に雑魚寝になります。今日は色々と行動して、結構疲れていましたので…私達は部屋に着いた途端、もう寝ようとしていました。



(床、硬っ―!!)



多少、床が硬いのは我慢して…



閑散とした部屋を、ランタンの小さな灯りが薄暗く照らします。明るいと感じるのは…私のすぐ傍だけです。窓のあった所にチラリと視線を向ければ、漆黒の暗闇が覗いている。



そこから…


(誰かの、視線を感じる?)



私は、揺らめくランタンの灯りを見ながら…


いけない事を想像していました。





     (誰かが、窓の外から覗いているのでは…)




    (誰かが、暗闇から私達の事を見ているのでは…)




「…」(私)




何か、急に怖くなってきましたね。やはり、ハリボテで…即興で出来た勇気なんて…いざ、その時になったら脆くも崩れ去ってしまうものなんでしょうか。




「ゼニィー、ゼニィー」

「本当にここで寝ても、大丈夫かしら…?」


私は、不安になってゼニィーに声を掛ける。




しかし、ゼニィーからの返事はない。






      「ZZZZ…」 「ZZZZ…」 「ZZZZ…」 






「コイツ…」


ゼニィーは、すでに寝ていました。

私に、不安を煽っといて…先に寝るなんて。




「ハァ…」



まぁ、気にしすぎかもしれませんね。

私は…気楽に寝ているゼニィーを見て、そう思います。


それに今日は、少し肩の荷が下りましたし…





だから、もしかしたら今日は良い夢が見れるかもしれないわね。


最近、変な夢しか見ていませんからね。




「私も、早く寝よっ!!」


私は良い夢に、期待して眠りにつきました。














              ○















             【…】 


  






             【…】








            【イエ…】








            【イエ…】







                


            【イエ…】












           【ワタシノナヲ…】









           【ワタシノナヲ…】






  【【【【ココデイエエエエエエエエエエエエエ―!!】】】】




 「「「「「「「ドカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア―ン!!」」」」」」」



「「ギャア―!!」」


私は、突然の轟音に目を覚ます!!


とても、近くで雷でも落ちたのか―




「「「「「ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドオオオオ―!!」」」」」



いや、雷ではなく、爆弾が落ちたのではないのかと思う程、途轍もない大きな音と振動が建物の中に響き渡る。



「「「!!」」」


「こ、ここはどこ…?」



そしてー

同時に、風景が違う事に気付く。そこは寝ていた廃墟の部屋ではなく、私は大きなホール?の様な場所に立っていた。それは、まるで…




           聖堂でしょうか。




薄暗いホールの壁には、大きなステンドグラスや凝った装飾が施されていて…天井には大きなシャンデリアが、轟音と共に激しく揺れていた。そして、まるで焼かれて焦げた様に、あらゆる所が黒く染まっていて…




       それらが、蠢いている様にも見える。




(ゴクン―)




正面を見れば、私の目の前に…何かが、山の様に積まれていた。


暗くて、それが何なのかよく見えないが。



稲光が、それらを照らすと―





「ヴっ…」


私は声にもならない、声を出す。



それは、死体だー!!


私の目の前に、血だらけになった死体が山積みになって積まれていた。凄まじい程の腐った血肉の匂いが、私を包む。鼻が曲がりそうな悪臭だ。その死体の周りには、おびただしい数の黒い蠢くものが飛び回っている。




(飛び回っているのは、蝿なのでしょうか…)


(この聖堂の中を黒く蠢いて見えるものは、全て蝿なのでしょうか)



しかし、そんな蝿や臭いなんて、どうでも良くなる程に…

私の目線は、死体の山の上の方に釘付けになっていた。






「「「「「ピッシャアアアアアアアアアアア―ン!!」」」」」」


「「「「「ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ―」」」」」







死体の山の上に



全身血だらけの誰かが立っていて、私を見下ろしていた。



誰でしょうか…?



その人は、剣を握りしめている。





顔は、血の様な黒い物でドロドロに染まっていて、よく見えない。


しかし…血に染まった髪の中に銀色の髪が混じっていて、ステンドグラスから漏れ出す稲光が、それらを微かに反射させる。




その禍々しい姿は―









 

        ― まるで、悪魔でしょうか ―









悪魔を見た事が無い私でも…それが、もう悪魔なのではないかと思ってしまう。




「「「!!」」」


気付くと、私の手にはダガーナイフが握られていた。


そのダガーナイフは、血でドロドロに汚れている。








            【イエ…】







            【イエ…】







            【イエ…】








          【ワタシノナヲ…】








          【ココデイエ…】









「「ア、アナタは一体…誰なの!?」」


私は、震えた声で言う。


顔は…よく見えないが、凄まじい形相で私を見ている気がした。そして、山積みになった死体の口が…パクパクと動き出している。沢山の死体達が、私の事を凝視しながら、何かを言っています。







      【イエ…】       【イエ…】     





        【イエ…】       【ココデ…】    





    【イエ…】     【イエ…】      【ワタシノナヲ…】





      【イエ…】       【イエ…】    




  【ワタシノナヲ…】    【ココデイエ…】      【イエ…】    





      【ココデ…】       【ワタシノナヲ…】     





  【イエ…】      【ココデ…】      【イエ…】  





   【ワタシノナヲ…】     【ココデイエ…】    【イエ…】  




            【ココデ…】


【ココデ…】                  【ワタシノナヲ…】









         【ワタシのナをココでイエ…】








「「ア、アナタの名前なんて…」」


((分からないわよ!!))




「えっ…」



ダガーナイフを持った私の手が、私の意思に反して勝手に動く。


ゆっくりと…ダガーナイフを両手に持ち、高々と掲げる。





刃先を私の方に向けて。






           (ま、まさか…)






そして、勢いよくダガーナイフを胸に突き刺したー!!



「「「ギャアアアアアアアア―!!」」」


「「「ビシャアアアアアアアアアアアアアア!!」」」


血飛沫と共に、私の身体は周囲に粉々に弾け飛んだ。














               ○











        「「わアアアア―!!」」




私は、ダガーナイフを胸に突き刺したと同時に目を覚ましていた。


目を覚ますと、廃墟の部屋でした。




「ハァハァハァハァハァ…」

「何だ、夢か…」


まだ、真夜中でした。



「「「「「ピシャアアアアアアアアアアアアア―ン!!」」」」」


「「「ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ―」」」


「「「ザアアアアアアアアアアアアアアアアアアア―!!」」」




外は雷鳴が轟き、激しい雨が降っている。

私達が寝ている間に、どうやら雷雨になっていたみたいですね。




「ど、どうしたの~!?」

「うめき声なんか出しちゃって…怖くて、起きちゃったよ~!!」


ゼニィーは、震えた声で言う。



「ハァ、ごめん、ごめん…」

「だ、大丈夫よ」


それにしても、強烈な夢でしたね。まるで…悪魔と出会った気分でした。

やっぱり疲れていたから、変な夢でも見たのかしら…




私は、冷静になって考えようとしますが。




「ピチョン、ピチョン…」







           (んっ…?)






天井から…水滴が落ちてきて、私の頭に当たります。

雨漏りでしょうか。そして、更に異変に気付く。



(何だ、これ…?)



何か…床が、ビャチャビチャに濡れていますね。酷い雨漏りでしょうか…やっぱり、この部屋も雨漏りがするんですね。私はため息を吐きながら、そう思いますが―


暗くて、よく見えませんが…


その水は、随分と黒っぽい様です。








         はて、泥水でしょうか…?









「ど、どうしたの~?」


ゼニィーは不審そうにする私を、心配して声をかける。

私は…ランタンの明かりをつけて、確認しますと―





「「「「「ピシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア―ン!!」」」」」


「「「「「血だああああああああああ―!!」」」」」(2人の叫び)



部屋のあらゆる所に、血がベットリと付いていました!!


まるで、誰かの身体が破裂したのではないかと思う程に、部屋全体に血が飛び散っています。そして、所々には銀色の髪の毛がベッタリと張りついている。





―同時に、意識が遠のいていく。


いけないっ、恐怖で気を失いそうだ。堪えろ、私っ!!




        「「「シャアアアアア―!!」」」



私は、謎の気合いの声を出して、何とか気を失う事を回避します。

もし…これが地球だったら、完全に気を失っていましたね。異世界で、色々と不思議な現象を体験して、恐怖に対しても耐性がついたおかげでしょう!!




そして―


「「ゼニィー、これは一体!?」」


私は、すぐさまゼニィーに聞きます!!







「ゼニィー…?」






「…」(私)






ゼニィーは絶賛、気を失っていました。






「おいっ、ゼニィー!!」

「しっかりしろオオオオ~!!」


貴方は、この世界の出身でしょ…







「ハァ…」




私はため息を吐きながら、そう思った。














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