41話 まさかの…(後編)
「えっ!!」
「有料って、どうゆう事!?」
私はゼニィーの意外な言葉に、驚きを隠せない。
「ボクの魔法の発動条件は、とても不思議でね~!!」
「銭を支払う事で、色々と便利な魔法を発動が出来るんだよ~!!」
「マジですか…」
「それが、ボクが銭の精霊である理由で~す!!」
「…」(私)
「あの~、有料なのは分かったんですけど…『いつ』『どこで』『誰に』『どれくらい』その代金を払うんですか?」
私は…とりあえず何もツッコまずに、ゼニィーに聞きます。
「体表バリアは月額で、前月分を次月の月初に支払いま~す。要するに後払いだね。それ以外の技は追加料金で、現金払いで~す。だけど…それらの技を使う時にお金を持っていなかったら、体表バリアの金額と合算で後払いになるよ~!!」
「例えば…」
「さっきの任意バリアは追加料金だから、使うとドンドン金額が上がっちゃうから、なるべく使わない方が良いよ~!!」
「はぁ…」
「何か、ややこしいわね…」
「この方が後々、都合が良いんだよ~!!」
「えっ!!」
「何の都合―!?」
あと、支払い方法ですが…
後払いの方は、支払日に魔法陣が出現するので、そこに代金を置けば、転送されて入金完了との事です。因みに、その代金が『誰に』『どこへ』送られるのかは、ゼニィーも分からないとか。
現金払いの方は、自身のお財布から勝手に使用代金分が消えて、代わりに領収書が入っているとの事です。
…そして、気になる値段の方ですが。
「体表バリアは、月額で300Gだよ~!!」
「300G…」
「…」(思考)
300G…って、どれくらい?
そういえば、パーシャの露店でリンゴ1個が70~100G位で売られていたわね。地球でも、それ位の値段で売られていますし、地球の円と同じくらいと考えるならば、300円か…
「ふ~ん」
「随分、安いわね…」
正直、道端に落ちている小銭を拾っているだけでも、どうにかなってしまう様な金額ですね。いや、300円は流石に厳しいか。いやいや勿論、拾ったお金は交番に届けますよ!!
でも、この世界…交番なんてあるのかしら?
私は思考に疲れて、よく分からない事を考えていた。
「…」(私)
とまぁ…つまりですが、ゼニィーは誰かにお金を支払う事で、その誰かから対価として力を貰っているという事なのでしょうかね。
―そう、得体の知れない誰かから―
この世界には、不思議な商売をしている人でもしているのでしょうか。
「ゼニィー…」
「貴方は、誰かから魔法を買っているの…?」
「う~ん、ボクはね…」
「その辺に関しては、細かく考えずに、誰かから魔法を買っている…つまり、誰かから力を貰っているというよりかは、銭自体から力を貰っているという事で認識しているよ~!!」
「それが精霊の特性でもあるからね!!」
「精霊の特性…?」
「精霊はというのはね―」
「…」(私)
ゼニィー曰くー
精霊は…水、火、樹木の精霊などなど、色々な種類が存在しており、それぞれの『呼ばれている名前』の物から力を貰う事で、その存在を維持したり、魔法を使えたりするとの事です。水の精霊でしたら、水から力を貰い…つまり、水から生命力を得て、その存在を維持したり、魔法を使う事によって外敵から身を守ったりするらしい。
因みに…
『水から力を貰い』との事ですが、普通の水では駄目らしいです。
その存在を維持する為には、とても清らかで澄んだ水が必要だとか。水の精霊は、森の奥の綺麗な水辺に住んでおり、仮に水辺が枯れてしまったり、汚く淀んでしまったら、そこに住んでいる水の精霊は消えてしまうそうですね。
(それで…)
ゼニィーの場合は『銭から力を貰っているので、銭の精霊である』という事で、ゼニィーを含め他の精霊達の間では…そんな解釈で、話しは落ち着いているという。
「…」(私)
もともと…
ゼニィーは、ぬいぐるみを作るのが上手い人が、暇潰しに…適当に作った様な…ヘンテコな姿をしていました。そのぬいぐるみに、まるで命が宿ったかの様に、私の横で話している。そう…
―得体の知れない何かが、私の横で話している―
その異様な光景は、私に感じさせる。
貴方は精霊では無い、別の何かではないかと―
そんな得体の知れない貴方が使う魔法は
やっぱり、得体の知れないものなのでしょうか。
「…」(私)
まぁ、他の精霊を見た事が無いので…
何とも言えませんが。
「ポツポツポツポツポツポツ…」
(あっ…雨!?)
その内にー
陽が、暮れてきていました。
更にポツポツとまた雨が降ってきて、辺りは一層に暗くなります。
とりあえず、今日はここまでです。
「ゼニィー!!」
「そろそろ、町に戻りましょう」
「はいよ~!!」
「バサアアアアアアア!!」
傘を差して、私達はパーシャの町に戻ります。




