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雨の町の冒険(part3) ~草原にて…~







(トボトボトボトボ…)



本屋から出ると、先程まで降っていた弱い雨はもう止んでいました。





私達は…


また町のメインストリートに戻り、あてもなくトボトボと歩いていきます。通り過ぎる町の人達は、相変わらずの暗い表情をしている。




その理由を知った今ならば…





まぁ、納得の表情だと思いますが。





そうなのですー

この町にはギルドが無いどころか、かなり訳ありの町らしいです。






う~ん、これから先、どうしましょうか…


今から、大きな町に行くとしてもねぇ。






(アア~ア…)


私はそう考えながら、途方に暮れていると唐突にゼニィーは言った。




「イブって、普段何をしているの~?」

「この町に住んでいる人では、無いみたいだけど…」

「旅人さんなんですか~?」



「…」(思考)



私はどう答えるべきか悩んで、言葉に詰まる。

流石に『異世界から来ました』と、言う訳にはいかないですし。



(いや、待てよ!!)



コイツ、一応は精霊と名乗っていますよね。

もしかしたら…精霊なら、こういった摩訶不思議な話しも信じてくれるかもしれないわね。


私は謎の期待を抱き、ゼニィーに全てをありのままに話す事に。私は、数日前まで地球という別の星にいた青年でした。そして、夢の中で突然『この世界を救って!!』というお告げを聞いて、目を覚ますと、この世界に来ていて、この少女の身体になっていました…と。





            ~数分後~





「…」(私)


私が話しを終えると、ゼニィーの顔はひきつっていました。



「あの~、もっと現実をちゃんと見た方が…」


「あ~、もしかして…それで世界を救う旅とかしているの?」

「そんな、夢みたいな事を言ってないで…ちゃんと定職に就いて、仕事をした方が良いんじゃ…」


ゼニィーは、ドン引きをしながら言う。






(まぁ、そうですよね…)






「…」(私)





「「いやいやいや、1日中道に落ちている小銭を探している貴方に言われたくないんですけどっ…仕事しろとか!!」」



「僕は、精霊だから良いんで~す!!」


ゼニィーは、当たり前の様に答えた。

それで、結局の所なんですが…


私は記憶を無くして、それを探す為に旅をしている事で、話しは落ち着きました。まぁ、実際もこの少女の身体の記憶は無いので、間違っている訳ではないと思いますが…







私は空に手をかざして、その手を見つめます。







この人の記憶か―















              ○














     「ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオ―」



       「バタバタバタバタバタバター」




私達は町から出て、草原にいました。


雨は止んでいましたが、空はドンヨリとした分厚い雲で覆われて薄暗く、いつ雨が降ってもおかしくはない天気です。




―草原の先の彼方は、霞んで見る事は出来ません。



時折、生温い強い風が吹き、私の長い髪をバタバタと靡かせます。



そんな湿った風を全身で受けながら…



私は、草原のどこか彼方を見据えていました。






「ゼニィー、ゼニィー、頼んだわよ!!」


私は、靡く髪をおさえながら言う。




「はいよー!!」



とりあえず…

私達が町の外に出ていたのは、ゼニィーのある提案によるものでした。


…と言いますのも、町中を歩いているとですね、香りが良いパンの匂いが漂ってきて、歩いている内にお腹が空いてきてしまったのです。



まぁ、そうじゃなくても、今日は起きた時から何も食べてないので…いや、ゼニィーが拾った飴を舐めたくらいですので、お腹はかなり空いています。因みに…食料は、もうありません。地球からの仕送りは、昨日ゼニィーに全部食べられましたので…そして、勿論お金もありません。



そんなピンチの状況を変えたのは…ゼニィーでした!!



ゼニィー曰く…


近くに森とかがあれば食料を取ってこれるとの事で、私達は今、食料探しに来ているのでした。



(ワ~イ!!)


流石は、精霊でしょうか。


昨日は、外れなんて言ってごめんなさい。


私は、心の中で申し訳ない気持ちになっていました。







「あっ!!」

「見て、見て!!」


私の上空をパタパタと飛んでいるゼニィーが、何かを見つけたらしく意気揚々に言う。



森があったのかしら?

私も意気揚々にゼニィーを見上げる。





「ゴブリンだよ~!!」


「えっ、ゴブリン!?」



霞んだ草原の向こうをよく見てみると、緑色の塊が4体動いている。

また一昨日みたいに襲われてしまうのか。私の頭の中にトラウマが甦る。



「ゼ、ゼニィー、何とかしてよ(汗)」


私はアタフタと焦りながら、ゼニィーに言いますが…



「いや、ボクは非戦闘員だから…」

「そういえば、魔法の確認がしたいと言ってたじゃん。あのゴブリン達で闘いながら試してみたら~!?」


「えっ―!?」


確かに、魔法の確認をしたいとは思っていましたけど、いきなりゴブリン達との実戦なんて…出来る訳もありませんよ(汗)


そうこうしている間にもゴブリン達は、私達に目掛けて走って向かってくる。



((ギャアアアアアアアア、死ぬー!!))


私が迫りくる恐怖に、更にアタフタするが…






その反面、ゼニィーはボオオーとした顔で落ち着いていた。







そして、言ったー








「まぁ、攻撃を受けても怪我はしないから大丈夫だよ~!!」






―と。















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