31話 ゼニィー登場
辺り一帯は、段々と暗くなり、もうすぐで夜になろうとしていました。
もうランタンの灯りも、必要になってくるでしょうか…
(パタパタパタパタパタパタ…)
「…」(私)
そんな中、私の周りをパタパタと蝶々と共に、奇妙な生き物が飛び回っていた。
私は、少し疲れて幻覚でも見ているんでしょうか…
…いや、これは私が召喚したヘンテコな精霊でした。
「あ~クソオオ。逃げられた」
その奇妙な生き物は、蝶々を追いかけながら、そう言いました。
「アンタね…一体、何をしているの?」
「ハァ…」
私はとりあえず、再び気を取り直して、ダメ元で聞いてみる事にする。
「お金を持っていない事は、置いといて…」
「アンタ、一応銭の精霊なんでしょ。何か良い金策とかもってないの?」
「そりゃ、勿論持ち合わせていますとも」
「むしろ、それが専門だからね~!!」
奇妙な生き物は、自信満々にそう言いました。
(あっ、これは意外と期待が出来そうですね)
「えっとね…あっ、もう時間だ」
奇妙な生き物は、そう言うと姿が消え始める。
「ええええ、もうですかっ!!」
「まだ3分くらいしか経ってないけど」
「何か…その、時間とか延長出来ないの?」
「延長出来るよ。延長しようか~?」
「うん、お願いします」
○
ゼニィーの姿は、無事に元に戻っていました。
まぁ…若干トラブルがありましたけど、話を再開しましょう。
中々興味があります、この世界の金策についての話しを―
「えっとね、道に落ちている小銭を拾いま~す!!」
「…」(私)
あの~、発想が幼稚すぎるんですけど。
聞くと…精霊の国では、よく道に落ちている小銭を探して過ごしているとの事でした。暇なんでしょうか。
「そうなんですか…」
「あ~、じゃあ他には何か(金策は)ないの?」
「んっ、これくらいだけど」
いや、自信満々に言った癖に、これ1つしか無いんかいっ!!
一体、何の自信に満ち溢れていたのでしょうか…
「あっ、そうだ!!」
ゼニィーは、ふと思い出した様に言う。
「あと、煎餅を売るとか…」
「…?」(私)
何故に、急に煎餅?
もう意味が分からん…
「あの~、例えばですけど…」
「困っている人を助けてお礼にお金を貰うとかさぁ、良い職業を紹介してくれるとか、あとは…ギルドカードがあるって事は、もしかしてギルドがあるって事でしょう。ギルドで依頼をこなして報酬を貰うとか、魔獣を倒してその素材を売るとか…」
(…って、何で私の方が金策の話しをしているんだ)
「その発想は、無かった!!」
ゼニィーは、閃いた様にそう言う。
「そうそう、確かにギルドと呼ばれるものはあるよ。まぁ、ボクは精霊だから行った事はないから、詳しい事は分からないけど…そこに行けば、依頼が受けられるんじゃないかな~!!」
「そうなのね…」
となれば、まずはギルドに行って、出来そうな依頼をこなして、お金を工面しましょうか。
(フムフムフム…)
まぁ、ギルドがあるって分かった事だけでも、コイツを呼んだ甲斐があったのかしら。私はそんな考えで、奇妙な生き物を見ていると…
「ボクも役に立った様だね」
「…」(私)
(いや、全然役に立ってないですよ)
「ボクも精霊の国での生活に飽き飽きしていたから、ちょうど良かったよ。時間も延長したから、しばらくお供して助けてあげるよ~!!」
「はぁ、そうですか…」
「…」(私)
変な精霊が、お供になってしまいました。
まぁ…ですけど、寂しさも何だかんだで結構、和らいだ感じかしますね。
こんな奴でも1人よりは寂しくないし、考えてみれば、これもこれで良いのかなぁ。それとも…そう思ってしまう程に、今の私は孤独を感じているのでしょうか。
私はこの世界でも、前の世界でも…
ひとりぼっちだから…
(ポツポツポツポツポツポツポツ…)
哀愁に浸る私に、追い討ちをかける様に心配していた事が起きる。
雨が降ってきました。
そうだ…ポーチの中に傘が入っていましたね。
私はポーチから傘を取り出して、傘を差します。
「バサアアアアア―」
「アンタも一緒に入る?」
「ありがとー!!」
とりあえず私達は、町に戻る事にする。
―こうして、雨降る町に2人?は消えていきます。
「…」(私)
…そういえば、これは凄くどうでも良い事なんですが、あの広告には特典でお菓子がついてくるとか、書いてあったよなぁ。でも、お菓子なんてどこにも無いけど。
「あっ、そうだ!!」
ゼニィーは、ふと思い出した様に言う。
「お金は持っていないけど、飴ならありますよ~!!」
「お近づきの印に良かったら、どうぞ~!!」
そう言い、ゼニィーは私に飴を1つ手渡す。
「…」(私)
お菓子あったわ!!
でも、飴1つって…凄くショボいな、広告さん。
「落ちている小銭を探している時に拾いました~!!」
いやしかも、拾った飴かいっ!!
食べて大丈夫なんでしょうか、この飴―?




