表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/50

30話 広告





      「ヒュウウウウウウウウウウウ―」



        「ゴロゴロゴロゴロー」





湿った風が、草原を駆け抜けていく。



辺り一帯は…陽も暮れ始めていた。


元々ドンヨリとした雲に覆われて薄暗かったですが、更に暗くなろうとしていました。雨が降らないのが不思議なくらいです。


遠くの空からは、雷鳴も聞こえている。


そんな中、私は町から出て、再び草原にいました。




そして、今からここで魔獣を召喚したいと思います!!


(イエーイ!!)


「「パチパチパチパチパチ―」」(意味もなく拍手)





…と、その前にギルドカードには、自身が使える魔法として “魔獣召喚の魔法” が確かに書かれていましたが、その中には2つの召喚の技名があった様な気がした。



(どんな魔法が使えるのか…)


(改めて、ギルドカードを見て確認しましょうか…)



そう思い、私はギルドカードを取り出してタップするが…何も反応がありませんでした。と言いますか、ギルドカードに煌めいていた星が消えて、ギルドカードは真っ黒になっていた。



(あれっ、どうゆう事だ…?)




「…」(困惑)



まぁ…仕方がないので、昨日オッサンに言われた通りに、魔法を使ってみる事に。まず、私は頭の中で今の切実な気持ちを念じました。


『今、お金が無く、食料もあと僅かで困っています。何でも良いので何か助けてくれる魔獣よ、出てきて下さい』…と。



それから、私は目の前に手をかざして、その先にある地面に…昨日、湯沸しポットでお湯を沸かした時の様に、その場所に意識を集中させる。とりあえず、これで “魔獣召喚の魔法” を発動が出来るでしょうか。



物は試しにやってみる事にします。








           ~10分後~








私は…しばらく目の前の地面とにらめっこをしていますが、一向に何も変化が起きる気配がありませんでした。やはり、念じ方がザックリとしすぎたんでしょうか。



もっと、具体的なイメージが必要なのでしょうか。


でも、私…この世界の魔獣はゴブリンくらいしか知らないし…






(もう無理でしょうか…)






私は諦めて、止めようとした時でした。








「「「!!」」」



(ゴオオオオオオオオオオオオオオ―!!)


私の目の前に突如、魔法陣が出現して、その周囲に風が吹き荒れる。


そこから、いかにも魔獣が出てきそうな感じがしました。




…なんか、出来ました。やりましたアアアー!!(歓喜)



どうやら本当にギルドカードの書いてある通りに、私は…私は “魔獣召喚の魔法” が使えるみたいでした。



(ワ~イ、ワ~イ!!)




まぁ…魔法陣が出現しただけで、まだ肝心の魔獣は出てきませんでしたけど、私は先走った感じで歓喜していました。そして、いよいよ魔獣の出現か-そう思った矢先でした。


風が吹き荒れる魔法陣の手前…

私の目の前に、空中ディスプレイが表示される。


「はぁ?」


そこには、こう書いてあった。






『貴方はこれから、カムバック召喚を行おうとしています』


『果ての魔法で、この魔法を強化しますか?』



『 YES 』 『 NO 』








「…」(私)



いきなり表示された、これは何なんでしょうか…


まぁ、魔法を強化してくれるとの事なんですが…その表示された空中ディスプレイは、まるでネットに表示されるバナー広告を、私に連想させていた。



(今は、別に良いかな…)


私は、バナー広告を無視する様な感じで『NO』を選択しますが…






『本当に良いんですか? 後悔しますよ』


『果ての魔法で、この魔法を強化しますか?』



『 YES 』 『 NO 』






「…」(私)



私の目の前に再び、空中ディスプレイが表示される。


私は『 NO 』を選択するが…






『これは、カムバック召喚ですよ!!』 

『ここで、使わないと間違いなく損をしますよ。そして…今ならば、更に特典でお菓子もついてきますよ!!』


『果ての魔法で、この魔法を強化しますか?』



『 YES 』 『 NO 』





「…っ!!」


しつこいな、この広告っ。それに特典にお菓子って…子供ですか!!


いや、今の私は子供なのか…

とりあえず、先に進まないのでもう『 YES 』しますかぁ。



私は『 YES 』をタップすると-




魔法陣から強い光が放たれる。その直後、更に強い風が吹き荒れて、周囲に土埃が舞い、私の視界を遮った。





『ご利用、有難うございます。それでは魔法の発動を再開します!!』


『素晴らしい良い旅を―!!』




吹き荒れる風と土埃の中、空中ディスプレイは、その様な表示をして消えていった。


結局…

この広告は、なんだったのかはよく分かりませんでしたが、風が吹き止むと魔法陣の周りには、風で舞った土埃がモクモクと立ちこめていた。










そして-







土埃の中には、何かが潜む影が見える。


果たして、どんな魔獣が出てきたのでしょうか。


私は、土埃の中を見つめます。




「…」(私)



(ゴクンっ―)








「こんにちは、僕は銭の精霊のゼニィーです。宜しくねー!!」



「「!!」」(うわ、なんか喋った!!)



突然、土埃の中から声が聞こえた。そして、土埃もおさまって徐々に視界が開けてくる。そこにいたのは-



奇妙な生き物であった。


その生き物は、薄い黄色の球体の形をしていて、大きさはバレーボールくらいでしょうか。そこには、目と口や紐の様に細い手足がついていて、その手や足の先は丸くなっていた。


ドラ○もんの手みたいな感じですかね。


そして…

特徴的なのは、翼が生えて飛んでいる事と、大きな角が1本ある事でした。






「…」(私)


(ん~なんと、言いますか…)


世界観が、まるで違う…子供の落書きの様な見た目であった。


その生き物は、私の事を真顔で見つめている。




「こんにちは、僕は銭の精霊のゼニィーです。宜しくねー!!」(2回目)



「こ、こんにちわ。私はイブよ」







「…」(思考)


コイツ、銭の精霊なのね。いや、銭の精霊って何だ!?


火や水の精霊とかでしたら、分かりますけど…銭の精霊とは一体。



あ~、もしかして…お金に困っていると念じたから、その類いの魔獣が出てきたのでしょうかね。それにしても、その見た目も相まって、とてもヘンテコな魔獣を呼んでしまった。あと喋った事にも驚きですけど。





(ゴクン―)



では、私は気を取り直して本題に入る事にします。



「アンタ、銭の精霊なのね。じゃあ、私にお金頂戴」


私は単刀直入に言うと、その奇妙な生き物は怒って言いました。



「コラアアー!!」 

「出会って、いきなりお金を頂戴なんて失礼だろー!!」




「…」(私)



…それもそうですよね。私もその適当な見た目から、ぞんざいな感じで聞いてしまっていた。私は謝り、言い直します。




「ごめんなさい。貴方は、銭の精霊なんですね。私は今お金が無くて困っていまして、少しだけでも良いからお金を貰えると、いや貸してくれるだけでも良いので、助けてくれないかしら?」…と。



「あ~、そうゆう事ね」

「でも僕も今、お金持ってないんだ」



「はっ?」

「えっ…銭の精霊なのに、お金を持ってないんですか?」




「うん、今金欠中」

「あの~、だから…僕にお金を恵んで下さい」


真顔で、その奇妙な生き物は言った。






「…」(私)





あの~、思い切りブーメランが突き刺さっていますけど…


というか、私も今お金が無いって言ったでしょうがっ!!





何なの、コイツは…









※更新頻度については、あらすじをご確認下さい。是非、評価とブクマ登録をして頂けたら嬉しいです。

宜しくお願いします!


※Xでは少しずつ漫画にしています!気になる方はプロフィにXのリンクを貼ってますので、是非見て下さいませ!Xのフォロワーも募集中(相互なので、フォロバします)!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ