28話 忘れ物
―この場所は一体?―
気付くと私は、白い光に照らされていた。
そして、私の視線は…自然と光の方を向いていた。
『…すまない』
『強い制約により、正体を明かす事が出来ないのだ』
『そして、会える場所や時間も限られている』
『君とは夢の中でしか、会えないのだ』
『イブよ』
『それが君が、ここに来た目的か…』
『相分かった』
『遠くからで申し訳ないが、俺も出来る限り手を貸そう』
『僅かな時間だか…君と…話せて…良か…(プツンっ)』
「チュンチュンチュンチュン―」
(…んっ?)
気付くと私は、レジャーシートの上で目覚めていました。
そして、もう朝になっていた。
いや…腕時計を見ると、もう昼過ぎであった。寝過ぎてしまった様です。
それでアア、とても眩しい…私は、手で顔を隠します。
―雲の合間からは、差し込む陽の光が私を照らしていた。
陽はもう、それなりに高く昇っている。しかし、雲が多いのか、すぐに分厚い雲の中に隠れてしまっていた。空は…昨日より雲が多くなり、ドンヨリした雲が空を覆う。
そんな空模様は、私に一抹の心配を抱かせていた。
(これから先、天気が悪くなりそうだなぁ…)
まぁ…天気も気になる所ですが、辺りの景色も相変わらずの大草原であった。私はボンヤリと辺りを見渡し、やっぱりここは異世界なんだと認識する。
「ファアア~ア…」
私は、まだ眠そうにあくびをします。
「…」(私)
そういえば…先程、誰かが囁いていた様な気がしましたが、夢だったのでしょうか。内容はボンヤリとしすぎて、あまり覚えていませんけど。
なんか、誰かが手を貸してくれるとか言っていた様な…
「「!!」」
そうだ、オッサンはどこに行った!?
私は辺りを見渡すが、オッサンの姿は無かった。
…と言うか、私はオッサンと見張りを一度も交代する事なく、朝まで爆睡をしていました。もしかして…オッサンは酔っ払って、フラフラとどこかに行ってしまったのでしょうか?
酔っ払って、どこかに倒れて寝ているかもしれない。
私は、そんな予想をして周辺の草原を捜すが…オッサンの姿は、無かった。
しかし、その代わりに―
地面に、刺さっている剣を見つけた。
剣の柄の部分には、何か…ご立派な紋章が刻印されていた。
その剣は、昨日オッサンが使っていた剣とよく似ていた。
(…オッサンの忘れ物でしょうか)
私はとりあえず、剣を地面から抜き取り、ポーチの中に入れて、またオッサンの捜索を再開する。でも、やっぱりオッサンは見つからなかった。
どうやら、もう先に行ってしまったのでしょうか―
昨日は、一緒に町まで行ってくれると言ったのに…手を貸してくれると言ったのに…というか、こんなか弱い少女を置いて行くなんて、薄情なオッサンだな。
所詮、酔っ払いの言う事なんて信用が出来ないわね(ブツブツブツ…)
私は不満を口にしながら、小川沿いを進んで、パーシャの町に向かいます。




