16話 さて今日の大物です
「「「「「ジリィリリリリリリリン―」」」」」
「「「「「ジリィリリリリリリリン―」」」」」
突然、けたたましい音がこの町全体を覆った。
この町の警報の音です。
これは、この町に何かしらの危機が迫った時に鳴る音ですが、私がこれを聞いたのは生まれて初めての事です。
町は、一気に慌ただしい雰囲気になる。
一体、何が―
「「危険な魔獣が出たぞオオオ、この町に向かっている!!」」
「「皆、安全な所に避難しろー!!」」
誰かが、そう叫んでいるのが聞こえた。
危険な魔獣とは…
私とルイアは、急いで騎士団の建物に行く。
騎士団の建物に着くと―
コーレン副団長も今日は休みだったはずですが、私達より先に騎士団に着いて、慌ただしく騎士の皆に指示を出していた。
そして、他の第2分団のメンバーも到着します。
「「コーレン副団長!!」」(私とルイア)
「「待っていたぞ―イブ、ルイア!!」」
「「サラマンダーの群れが出た。これからパーシャ騎士団で大編成を組んで討伐に行く」」
「「お前達も加わって欲しい」」
「「はい、分かりました!!」」(私とルイア)
―この町の近郊にサラマンダーの群れが出たみたいです。
巨大サラマンダーが2体とサラマンダーが10体…
そして、この町に向かっているとの事です。
サラマンダーとはー
炎を吐き、体表は溶岩に覆われた大きなトカゲの魔獣であり、とても危険な魔獣です。ギルドが提示している、その魔獣の強さや危険さを表す指標では、巨大サラマンダーはC3(カテゴリー3)に分類されています。
C3の魔獣が出現した場合は、近辺の町が壊滅する可能性があり、騎士団で大編成を組んでの討伐が推奨されています。
因みに…巨大ゴブリンや巨大スライムはC2です。
カテゴリーの数字が大きくになるにつれ、その魔獣の強さや危険さが増していくのです。巨大ゴブリンや巨大スライムよりカテゴリーが1つ上がっただけだと思いますが、カテゴリーが1つ上がっただけでも、その魔獣の強さと危険さは格段に上がるのです。
(巨大サラマンダーが2体も…)
「「「さあ、出発するぞオオオオ!!」」」
「「「オオオオオオオオー!!」」」
私とルイアは即座に騎士の格好になり、百数十人規模の騎士の大編成でサラマンダーの群れのいる所まで出発します。
もう、スターレス団長もいない。
先頭をきっていくのはコーレン副団長で、その後に皆が続いていきます。
(しかし…何故、サラマンダーが出たんだ?)
次第に頭の整理が追い付いてきた私は、理由を考えていた…
サラマンダーとは、通常は火山帯に生息している魔獣であり
この近くの主な生息場所は―
そう、火山の国と呼ばれる隣国のバルキード王国なのです。
サラマンダーは、基本的に動きはゆっくりで、行動範囲は広くはありません。そして、巨大に成長するにつれ、その動きは更にゆっくりになっていきます。稀に動きが活発な若いサラマンダーが国境を越えて、この国に入ってくる事もありますが、それも本当に稀な事なのです。
例えるならば…
東京の住宅街に、猿が迷い込むくらい珍しい事なのです。
以前、ニュースになってましたからね。
「…」(私)
あっ、この例えはぶっ飛んでましたね…忘れて下さい。
そんな稀な事なのに、群れで来るなんて…
只でさえ国境付近の警備は、騎士を増員してまで強化していた…
それなのに、こんな大きい群れが国境を越えてパーシャの町の近くに来るまで気付かなかったのだろうか。
「誰かが、魔法で召喚した可能性があるわ」
隣を馬で並走するサニーさんが、私に話しかける。
私が、疑問に感じていた事を察したのでしょうか。
いや…騎士の全員が、多分そう思っているはずです。
「一体、誰が…」
私は、サニーさんに聞きます。
「それは、分からないけど…」
「「ダダダダダダダダダダダ―!!」」
「「ダダダダダダダダダダダ―!!」」
―馬に乗った百数十人の騎士達の編成が、草原を駆けてサラマンダーの出現場所に向かう。
サラマンダーの出現の為でしょうか…
発生した火災の黒煙が、黒雲の様に向こうの空をモクモクと覆っている。
そして今、私達はそこに向かっている。
(ゴクリっ…)
どうゆう経緯で出現したか分からないけど…
今は町を守る為に、闘う事が先決だ!!
さぁー
ここからは、決死の魔獣討伐の時間です!!




