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寄稿『近代プレイヤーの心身に関連する最新型ゲーム定義』

 ――――ゲームの中で戦う全てのプレイヤー達の【成長】は、全ての生物と同じく千差万別である。


 レベル1から成る平凡なステータスを原初として、ゲームでの勝敗・激闘から得られる『経験』。アイテムや特訓等で培われる『強化』。戦う毎に熟練していく『技術』。


 万物のゲームにおいて、これらは【成長】に欠かせない三大要素であり、それを積み重ねる事により至高のステータスを完成させる事になる。


 ――そしてそれは、現実・仮想問わず生きとし生ける全ての生物にも言える要素でもある。


 例えば、生きる上で必要な【食】。


 炭水化物・糖質がプレイヤーの体力を蓄え、タンパク質・カルシウムが血肉と骨を鍛え、野菜・果実が心身のコンディションを整える。


 これらをRPG・格闘ゲーム等にて、体力回復・ステータス増強アイテムに【食事・摂取】と変換しても、ゲームの要素として、生物が生き続ける上で何ら差し支えはない。


 しかし、近年開発が進められている現実世界と電脳世界の境界線を繋ぐ電脳転送装置【トランスホール】と、同時に私も開発を進めている、仮想現実大規模多人数同時参加型オンラインゲーム《通称:VRMMO》【GAME WORLD(ゲーム ワールド)】を用いて、


 現実と仮想を()()()させた究極のゲームを、私は近々完成させる目標を掲げている。


 これを達成された時、VR(ヴァーチャルリアル)の世界でも現実同様、感動の域に達する味覚の技術と、摂取に伴うステータス強化の実装も可能とされ、様々なゲームジャンルの発展へと繋がるだろう。





 ――――さて、現実世界と仮想世界。二つの世界が一つになる時、今を生きるこの怠惰な時代は感情溢れる有機なものに成るのか。それとも静寂の如し無機なものに成るのだろうか?



 もしも全ての生物が、同じものにしか感動せず、同じものを食べ、同じ技しか身に付けなくなったとしたらば。

 そこに生きているその世界は味気なく、つまらない人生だと感じるのだろう。



 だからこそ全生物の多種性が、感情の個性が、心身の成長に対する無限の可能性が、1000倍になって輝く生の素晴らしさ。


 そしてその生きた証を残し、成長への大きな喜びを実感させる至高の娯楽こそ――――”ゲーム“であると、私はここに定義し続ける。




 ――ゲームは現実を逃避する行為のみにあらず。



 ――ゲームは時に、【心・技・体】を鍛え上げる人間の可能性への挑戦を意味するのだ。




 ――――『近代プレイヤーの心身に関連する最新型ゲーム定義』 Y.G.クロスフォード より

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