プロローグ
少し昔話をしよう。
はるか昔、世界は龍族に統治されていた。
当時、世界は五つの大陸に別れていた。
五つの大陸はそれぞれ、その大陸に生きる種族の名前や特徴からとり、
「大界」「樹界」「天界」「魔界」「亜界」と呼ばれていた。
「大界」には竜人族が、
「樹界」には獣族や長耳族、精霊族が、
「天界」には飛天族と霊族が、
「魔界」には魔族と鬼族が、
「亜界」には人族がそれぞれ住んでいた。
そしてその全てを治めていたのが、龍族の中でも特別な力を持つ五人の龍王、五龍王だ。
ん?そのまんまじゃないかって?
まぁ、そのままだ
別にいいだろうそのままでも、こういうものはそのままの方がかっこよくていいんだよ。シンプルイズベストさ。
おおっと話を戻そう。ええとどこまで話したかな?
そうそう五つの大陸は五龍王に統治されていたってとこまでだね。
五龍王の力は強大で絶対的だった。
龍族というものは強いんだ、どんな種族よりも。
力が強かったり、魔力量が多かったりはもちろんなんだけど、彼らは頭が良かったんだ。
そこの君、首を傾げたねいい反応だ。
確かに君からしたら少し違和感があるかもね。
現代に残っている龍族は赤龍や岩龍といった君達がドラゴンと呼ぶ頭の悪い奴や乱暴者ばっかりだからね。
しかし、当時の龍族はそういう奴ばっかりって訳ではなくて、ほとんどの龍族は多くの知識と知恵を持っていた。
そして、その龍族の王である龍王はあらゆる知識とどんな問題も解決出来る知恵を持っていた。
だから、龍王が治めていた五大陸はなんの問題も起きることがなかった、ましてや内乱なんてものも起きるわけなかった。
誰もがこの平和がいつまでもつづくと思っていた。
事件が起きたのはどの大陸にも龍王が不在だった時だ。
五龍王は九年に一度集まり会議を開く、どこでその会議が行われているのか誰もが知らない。
ただ分かっていることが一つだけある。
それは会議が始まり九ヶ月経たないと龍王は会議から帰ってこないということ。
その日は会議が始まり一ヶ月たった日だった。
我々は普段通り生活していた。
男も女も子供もそれぞれがそれぞれの仕事をこなし家へと帰って、飯を食い、風呂に入り、寝た、
そう、その時だ、誰もが寝よう寝ようと家の明かりを消した時だ。
周りが目が焼けるほど明るい光に包まれていた。
そして私はおもわず、、、
すまないお客さんだ、、、
こんなに遅い時間に来るなんていい迷惑だ。
今日はここまでにしよう。
また今度ゆっくり話そう。
もう遅い 寝るといい
地下室に寝具があるから取ってきてくれないかい?
地下室で寝てもいいけどどうする?
ああ、そうするといい
少し時間がかかるかもしれないから先に寝ておいてくれ
それじゃぁ、おやすみ