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デットヒート  作者: 長谷川ラジオ
7/15

魔法少女サミー 仲良し3人組

短編小説集デットヒートに、新キャラの『魔法少女サミーちゃん』が登場!

人間をこらしめにやってきたけどうまくいきません。みんな仲良くしてね!

どうする?


「サミーよ。サミーはおるか。」

「なんでしょうおとうさま。」

「人間の世界へ行って、何でも1番になって、人間をギャフンといわせるのだ。」

「分かりましたおとうさま。」

「お前には、最強の魔法の言葉を授けよう。

 『スミダクキノシタドンガラガッタホイ』

 これさえあれば、何でも思いどおりにできる。

 取り消す場合の言葉は

 『スットント―ノパア』

 これで間違えた時も安心だ。」

「行ってまいります。おとうさま。」

「お前の活躍を期待しているぞ。」

(ビュン)


学校にて

「なあ、あの3人いつも仲良さそうで、みんなカワイイよな。」

「そーだな。特にスミカちゃんは、スタイル抜群だし、頭も良くて、いちばんカワイイよな。」

「そんなことないよ。サミーちゃんだって不思議少女の感じで、天然ボケなところがいいと思うよ。」

「いやー、みんな大人の魅力が分かってないな。やっぱりいろいろ苦労して魅力がにじみ出ているエッちゃんが一番だな。」

「それじゃあだれが1番カワイイか投票することにしようよ。委員長いいよね。」

「僕は賛成だな。」

 

先生が来た

「この間のテストの採点を返す。」

「3番は、96点、委員長」

(やっぱ委員長はスゲーな)

「2番は、100点、スミカちゃん」

(あれっ100点なら1番じゃないか)

「1番は、102点、サミーちゃん」

(どよめきがはしる)

「先生、質問です。」

「なんだね委員長。」

「サミーちゃんの102点というのは、どういう理由でしょうか」

これには深い理由がある。加点内容として

芸術性

リズム感

連続性

協力性

独自性

保存性

などがある。

サミーちゃんの回答には名前の上にドラえもんの絵が入っている。

これで芸術性、0.5だ。」

「そんなの分からないからいたずら書きしてただけじゃないですか。」

「回答用紙をよくみてみろ。文字の間隔が337拍子になっている。

 これでリズム感、0.3だ。」

「そう言われれば、そうにも見えますが。」

「回答の文字がはみ出て上から下へとつながっている。これで連続性0.3だ。」

「それはいいかげんに書いただけだと思いますが。」

「分からない時はとなりの人の回答をうつしている。これで協力性0.4だ。」

「それはカンニングじゃないですか。」

「となりの人の回答をうつすとき、うつし間違えて、オリジナリティーを保っている。

 これが独自性0.3だ。

 あと、予測される問題の回答が手に書いてあった。これで保存性0.2だ。」

「全部インチキじゃないですか。」

「そんなことはない。『お気に入り点』があって、

 先生の気に入らなかったひとには、得点に0.8がかけられる。」

「いんちきー」


「これじゃあインチキがバレるわ。

 こうなったら私が先生になるしかない。」


次の日

「みんなおはよう。」

「おはようございます。」

(あれ?少し早くないか)

「みんなは今度、仲良し3人組の人気投票をするそうだね。

 もう、だれに投票するかは決めたかな。」

「えーっまだ全然決めてません。」

「そーかー。先生だったらサミーちゃんだな。」

「みんなカワイイと思いますけど、先生はサミーちゃんのどこがそんなに良かったんですか?」

「うーんやっぱり信頼性かな。

 サミーちゃんに入れておけばゼッタイという気がする。」

「先生、あまり先生が個人にかたいれするのはよくないんじゃないでしょうか。」

「そんなことはない。先生は会った人みんなにサミーちゃんを薦めているよ。」


「みんなおはよう。」

あれーッ、先生が2人になった。

どっちかニセモノだぞ。

「君はだれだね。何者だ。」

「お前こそだれだ。私のまねをして何のつもりだ。」

こうなったら生徒に選んでもらおう。

「わたしを選んでくれた人には『ガリガリくん』を買ってあげるよ。」

「わたしはビンボーだから何も買えない…」

「あーこっちのビンボーな方が本物だ。」

「ちっバレたらしょうがない」(どろん)


仲良し3人組は

「ねえー、投票って思ったより盛り上がってるみたいね。」

「わたし何だか恥ずかしいわ。」

「そうねー、浮動票の底上げが大切よね。」

「えーッ、サミーちゃんておもしろーい。」

(ワハハハ)


まずエッちゃんからしぼり出しが必要なようね。

「ねえエッちゃん、テニスとかしない。」

「ええっ私ほとんどやったこと無いから。」

「大丈夫よ、ダブルスだから安心よ。」

「でも私、道具持ってないの。

 はごいたなら有るわ。」

「めんどくさいわね。じゃあ、はごいたでいいわ。」

「はごいた始め―。ポンポンポン。」

「いてっ、サミーちゃん痛いわ。」

「ごめんねー、いてっ、エッちゃんすごく痛いわ。どうしてくれるの。」

「えーっ、大丈夫?」

「まあ、今回限りよ。」

「サミーちゃん有難う。」

(エッちゃんしめ出し失敗だわ)



サミーちゃんは大カバンから何かを取り出す。

「みんなー、このあいだ温泉に行った時のおみやげがあるのー

 温泉まんじゅう、すごくおいしーよー」

「全員に一個ずつくれるの?すごい大サービスだね。」

「オレ甘いものにがてだからいらないや。」

「ごちゃごちゃ言わないで食べるのよ。」


「うーっ何だか頭が痛いわ。」

「おれなんだかさっきから目が回るよ。」

「なんだかさっきからウズウズしてきて投票したくなってきた。

 しかもなんだかサミーちゃんに入れたい。」

「俺もだ」

(フフフフ)


次の日

「今日は仲良し3人組人気投票の開票結果を発表します。」

(ザワザワ)

「スミカちゃん、36票」

「エッちゃん、28票」

「サミーちゃん、1826票」

「票が多かったのはサミーちゃんですが、不正が感じられるので、1位はスミカちゃんとします。」

「ゲーッ、おぼえてらっしゃい。」


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