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生と死の狭間で  作者: border
9/9

幕間

横断歩道を渡る時。


車が目の前を通るのをじっと見ていたら、僕が渡ろうとしているのに気づいたバスの運転手さんが、バスを止めて僕に"通ってもいいよ"と、手で示してくれた。


僕は、なんだか信じられないくらい、例えるなら、急に親戚から1億円をもらった時のように、嬉しくなった。


その時の運転手さんに憧れた。

バスの運転手さんって一人称が私のイメージがあったから、僕も私にした。



翌日、私に横断歩道を渡らせてくれた運転手さんが運転していたバスに轢かれた。


なんだか、これでよかった気がした。

憧れの人に殺された私は、とても幸せものなんだと思った。



次の日、私は目覚めた。

前の日には家でゆっくりしていて、外には出なかった。

いつの間にか変わっている自分の一人称に違和感を覚えながらも、なんだか変えるのが何より怖くて、変えずにいた。




どうしても拭えない違和感に、吐き気を覚えながら、1日1日をただぼんやりと過ごしていた。


好きなことは読書、好きな作家は芥川龍之介だった。

唯ぼんやりとした不安を抱えて死んだ彼に、心が共鳴した気がしたからだ。















また、私は目を覚ます。

なんだか、とてつもなく長い夢を見ていた気がした。

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