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生と死の狭間で  作者: border
8/9

第1幕、終了

「それにね?」


さっきまで何も無かった瞳に、急に何かが宿る。


いや、何かなんかじゃない。

私はこれを知っている。

驚くほど見慣れた感情。



「もしお兄さんが本当の聖人だったとしても、ここで死ぬんだから!」



彼女の目に宿ったのは、とても哀しい"使命感"。

しかし、そんなことに今更気づいたってもう遅い。


すべてが、最初から決められていた。

私のあの感情も、あの子のあの言葉も、すべてが台本の下に仕組まれたものだった。



最初から私は、掌で躍らされていただけだった。




どこかで、拍手の音が聞こえる。

「なかなか無難で良かったですよ、でも、面白みにかけていましたね?」

これは黒幕の声だろうか。

「お兄さん、あなたがかけてくれたあの言葉、ちょっと嬉しかった。ありがと」

これは、私を殺したあのこの声だな。



最初から、気づいていた気すらしてくる。

やっと思い出した。

あのこの名前を聞いた時のほんの少し、本当にかすかな違和感の正体を。

私は、彼女を知っていた。

彼女の本当の名前を知っていた。



_________彼女の名前は、________________


そこで、視界が暗幕に包まれた。

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