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2,何者
「おじさん、だいせーかい!」
そう、笑いながら言った少女を、私は、呆然としながら見ていた。
「君、何を言って…」
「え、おじさんが言ったんでしょ?あの火事は君がやったんだろって!当たりだよ、当たり!だいせーかい!私が火をつけたの!」
そう言って、彼女は、えへへと、まるで私が彼女を褒めたかのように可愛らしく笑った。
その笑みは、年相応な気がして、やっぱり、大人びている気がして、気が付いたら聞いていた。
「君は、一体何者なんだい…?」
その女の子は、まってましたとでもいうようにすぐに言った。
「私の名前は神木坂香音。生と死の狭間で、殺し屋をしています!」