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生と死の狭間で  作者: border
1/9

最初に

彼女ほど不思議な人物を、私は未だに見たことがない。


彼女は、殺し屋であった。

たくさん人を殺した、と彼女は言った。


しかし、私には、いまいちそれが信用出来なかった。

たくさん人を殺した人間とは、大抵が、腐っているのである。

腐っているというのは、つまり、笑みが少なかったり、目に光がなかったりと、そういうことなのだが、彼女はよく笑う、生き生きとした、美しい女子であった。


しかし、私は彼女の、人を殺したという発言を、時間はかかったが、受け入れる事にした。

それは、彼女の腐らない理由を、見つけたからであった。


彼女には、最初から何も無かったのである。

パンであれ林檎であれ、そこにあればやがて腐ってゆく。

しかし、何もなければ腐ることは出来ない。なぜなら、腐るものがないのだから。

つまり、彼女は、パンも林檎もなかったのである。

だから、腐るという事ができなかったのである。



そんな彼女と私の不思議な因果の話をしようと思う。

なぜ、と言われても答えることは出来ないが、ただただ書きたいのである。

読者諸君は、飽きたら、読むのをやめて、昼寝しても構わない。

しかし、読むからには、彼女という存在を忘れない様に頭の隅っこに縛り付けておいてほしい。


それが、私と、彼女の望んだことなのだから。



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