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タルタル

作者: ひつじ

すみません。

ただの愚痴です。


自宅で仕事をしていたデザイナーの友人がいた。

自宅兼職場からほぼ出ることがない彼女の部屋は綺麗に片付いているとは言えない。女を捨てた女性の末路を見ている様な空間は悍ましい。それでも仕事として呼ばれれば行かなければならない。

そんな引き篭もり同然の彼女のことを上から目線で不憫に思っていた。なので呼ばれて行くときは、手土産を持って行くことが多くあった。


この日も午後早い時間の訪問を依頼され、昼食がまだだというのでデパ地下によって弁当を調達することになった。

彼女と電話を繋いだまま店内をうろうろ。電話で弁当の内容を伝え、気に入ったものを選んでもらおうとした。言葉だけで弁当のおかずを説明するのはかなり難しい。量や付け合わせまでは説明しきれない。

そうは言ってもデパ地下のお弁当なので、選んだものにそう大きなハズレはないだろうとのことになり、彼女はエビと白身魚のフライが入ったお弁当をチョイスした。私も同じ店で別の弁当を選んだ。

弁当以外にデザートも欲しいと言うので、電話を切らずお会計をしようとしたとき、彼女からタルタルソースを二つもらって欲しいと言われた。

「あのーすみませんが、タルタルソースをもう一つもらえませんか」

「もちろんいいですよ。2つ入れときますね」

「ありがとうございます」

年配の男性店員さんは笑顔で快く対応してくれた。

直後、電話口から信じられない言葉が飛んできた。


「そんなことで礼を言うなんてどうかしている。商売なんだから当たり前でしょ。礼を言う必要はないでしょ」


結構きつい声だった。彼女から聞いた初めてのテンション。

その電話からの声を無視して、お金を払い弁当を受け取った。

「どうもーありがとうございましたー」

電話の向こうにも聞こえるように店員に礼を言い、その売り場を離れた。

そしてさっきの声を聞かなかったことにして、さっきの発言をなかったことにして電話の向こうに話しかけた。


「デザートは近所のコンビニで買うね」

いろんな考えの人がいます。

いていいと思いますし、いるのが当然だと思います。

でも、距離を置きたくなりました。

くだらない愚痴を聞いていただき、ありがとうございました。


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