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自分で変える異世界召喚  作者: 太山諒清
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自分の世界を変えるのは自分自身だ!

「陸人ー?ご飯よー?」

甲高くてうるさいが目覚まし時計よりは目覚まし効果のある声が階段を伝って部屋まで通り抜けていく。毎日のように変わらない1日がスタートを切る合図だ。重く背中に根っこでも生えたようにベッドにくっついている体を、先程まで睡眠状態にあった脳をフル稼働させ勢いよくベッドから起き上がる。まだ全開に開かない瞼を手の甲で擦りながら視力を取り戻していく。

窓の光が入り込んで少し神々しい演出を出している階段を1歩踏みしめると、ラップ音が家中に響き渡る。変わらない光景だ。

階段を降りるといつもと変わらない匂いが充満している部屋に辿り着く。

「おはよう、陸人。」

先程の声とは別人の様に思えるそんな声を発してにっこりと自慢の笑顔を見せている母・智子を無視して自分の定位置に座る。

「いただきます。」

食前の挨拶は忘れない。形はどうあれそれだけは言う。

「昨夜、大物俳優の滝沢晴信さんが自宅リビングで自殺しているのが見つかりました。」

世間では騒がれることであるものも全く耳に入ってこない。食べることに意識を注ぐ。

「自殺かー、これは地獄行きだね。」

母はそう言いながら残念そうな顔を浮かべて、

「陸人は自殺なんかしちゃダメよ?自殺は地獄行きなのよ!自殺なんかするならその命誰かを助けるために使いなさいよー。」

めちゃくちゃな自論を朝から述べて母をまた無視して食べ続ける。

食べ終わり横になりたいという願望とは裏腹に体が無意識のうちに洗面台へと足を運ぶ。歯を磨き、顔を洗い、寝癖を整えて準備を済ませると、

「もう出るのか?」

今度は横から低く常に怒りに満ちたような声を出した父・直樹が声をかけた。

「ああ、今日は朝から課外があるからもう出る。」

母・智子とは対応が変わりしっかりとした声で返答する。

「そうか、行ってこい。」

寝起きでさらに機嫌が悪いのか言葉のキャッチボールはそう続かない。

用意された服を一式着て身だしなみを整え、外に出る格好が出来れば木口家の長男であり、高校生・木口陸人の出来上がりである。

「行ってきます。」

小さくわざと両親に聞こえないような声で別れを告げ移動手段である自転車に乗り学校へ向かう。

ーつまらない、つまらない、退屈だ。

こんなに変わらない毎日を送って、人生の発展を待ち望んでいる陸人は最近そんなことを思っていた。

そんな陸人の退屈な日々を潤すようなものに彼は出会った。それは二次元だ。

彼らの描く物語、自由さ、行動力に目を惹かれいつしか自分もあの世界に行きたいと思っていた。

何か人生で起こればあの世界の様に人生が面白くなる。人生に目標ができる!などと毎日思っていた。

だが本当は彼も分かっているのだ。この、自分自身の世界を、人生を変えるのは、自分自身なのだということを。

答えは出ているが二次元のような行動力がない彼はもう現実を受け入れていた。

自転車を漕いで数分、交差点で信号に引っかかる。ここの信号は毎日変わらず必ず引っかかってしまう。またいつもと同じような行動をとっている自分にまた嫌気がさす。何かきっかけがあれー

「きゃーー!」

突然の叫び声にその場にいた全員が音のした方を目で耳で探る。なぜ叫び声がしたか、答えはすぐ分かる。

女性の右肩の方にある男が何かを押さえてる。女性の服からじわじわと真紅の円が広がり、鋭利な何かで刺しているというのが分かった。男はそれを引き抜き、

「こんなに堂々と街中で殺せば俺もヒーローだ。」

そんな言葉を放った。

周りから逃げろー!やめろー!など言葉が飛び交っているが誰も止めに入ろうとは行かない。答えは簡単、彼女の身よりも我が身の安全を取るからだ。

「今度は外さねぇ。しっかり心臓にぶっ刺して冥土に送ってやるよ。」

「私があなたになにかしたって言うの!?」

「何もしてねぇーなー。だが俺がヒーローになる最初の生贄として十分すぎる美貌を持っていたからつい、な?」

理不尽な理由を言われ、彼女はその場で力が抜けていた。

ーこのままでは彼女は殺されてしまうよ?

心の中で自分が自分に問いかける。しかし、体は動かない。

ー二次元の主人公ならこの場面、どう切り抜けるかな?

そんなの無理だ、俺は二次元の人間じゃない、心にそう呟きながら後悔という言葉に縋ろうとする。

ー自分の世界を変えるのは自分自身の力だろ?

それとこれとは別問題だ、俺1人が行ったところであの人が助かるとは限らないし、俺もあの人も死んでしまうかもしれない。

ーもし、君が助けに行ってそれで死んで君はどっちの世界に行くのかな?

ふと、母・智子の言葉が頭をよぎる。

「自殺なんかするなら、その命誰かのために使いなさいよ!」

俺はどっちに行くんだ。

ー動かせ、体を。奮わせろ、心を。そうして、君が救って見せろ、彼女のことを。

さっきまで動かなかった体は呪縛から解き放たれたかのように無意識のうちに、だけど心では助けようと。

人となるべく関わないように生きてきた彼が見知らぬ女性を助けようとしている。現場の人々はまだ視界に彼は入らない。もちろん悪人にも。

振り下ろされる武器が彼女の胸目掛けて一直線に弧を描いた時にやっと人々の目に彼が映る。

ー君の物語は今から始まるんだ。

人々の目に映ったのは彼女の悲惨な姿か、それとも間一髪彼女がその攻撃を交わした光景か。

そのどちらでも無く、木口陸人が殺された光景だった。

まず、読んでくれてありがとうございました!

小説を書いたのは初めてで文の構成などめちゃくちゃだったと思いますがこれから色々学んで面白くしていくので、これからもよろしくお願いします!!次回もお楽しみに!!

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