第4話「チートなスキル」
進み方が遅くてすみません。もう少しで大きく動きます。
しかし、ステータスが見れるとなるといよいよ異世界にきたって感じだ。まさか自分が体験するとは思わなかったが。せめて人並みのステータスであってくれ。そう願いながら、僕は自分のステータスに注目した。
名前 : キサラギ カエデ
職業 : 銃士
レベル : 1
HP : 250/250
MP : 1000/1000
STR : 150
INT : 100
DEX : 100
AGI : 200
LUK :50
【スキル】
鷹の目・銃術
【固有スキル】
魔眼
【加護】
創造神の加護
色々と突っ込みたいことがある。まず、頭一つ飛び抜けてMPが高いことだ。うん、じゃあなんでMP高いのに魔法使えないんだろうね。泣けてくるよ。それと見覚えのないスキルが何個かあるな。
「えっと…魔眼ってなんだ?ていうか固有スキルだし。そういえば、僕が気を失う前にセラスさんが何か言ってたような…それがこれか?」
どう使うんだろう。とりあえず、眼に力を込めて…よし、いける。ここはポーズをとって、決めよう。
「魔眼、発動!我が前にひれ伏せ!!」
手を前に出し、痛いことを叫ぶ一人の少年がいた。ていうか僕だった。うん、魔眼とか貰ったらこうなるよね。とにかく、発動はできた。この能力はなにか調べてみるか。
「なるほど、この眼を使っている間他の物の詳細が見えるのか。要するに、鑑定眼的なものか?人間や物にも使えるらしいな。後は、僕が成長するたびに魔眼も進化するのか。セラスさん、ありがとう」
魔眼というだけで少年心をくすぐる。セラスさんには感謝しておこう。よし、この魔眼で色々調べてみるか。
「えっと、なになに。鷹の目は遠くを見渡せて、銃術は銃の扱い方が上手くなるスキルか。どちらも初期スキルみたいなものだな。それと…一番気になるのが創造神の加護。あの神様は創造神だったのか」
どうやら僕は神様の中でも相当上の神様と出会っていたらしい。いや、他の神様がいるかわからないけど。で、肝心の加護の効果はっと。
創造神の加護 : あらゆる状態異常を無効にする。スキルが進化しやすくなる。自己のステータスを他者が見ることは出来ない。
「なるほどね。…ってつよ!?これチートじゃん!あらゆる状態異常無効って、もう何も怖くないよ。後は、自分のステータスを見れなくするのもありがたいし、なによりスキルも早い段階で強くできるっていうのも便利だ」
僕が心の中でセラスさんの信者になることを決めた瞬間だった。職業は置いといて、スキルがこれならまだ望みはある。これから訓練でもして、自分の戦い方を決めていこう。
「カエデ様、そろそろ夕食のお時間です。大丈夫でしょうか?」
お城のメイドさんから声がかかったのは、それからしばらくたった後だった。僕は準備をして、メイドさんに声をかけた。
「はい、今行きます」
廊下に出ると、メイドさんが部屋まで案内してくれた。歩きながら城の様子を見渡すと、やはりかなり大きい城だということがわかった。城なんて行ったことないからどれもこのくらいの大きさなんだろうか。
夕食の席に着くとクラスの半分くらいは揃っていた。それからしばらくして、ようやく全員が揃った。一番奥の席に見知らぬ人が座っていた。
「我が国のためにこの遠い世界まで召喚されたことを今一度謝罪する。すまなかった。だが、どうしてもこの世界のために力を貸して欲しいのだ。その代わり、ここにいる限りは最大限のおもてなしを約束しよう。儂にはそのくらいしかしてやれることはないのでな」
王様だったのか。よく見る小説では王様は悪い人が多いみたいだが…この王様はなんとなく信頼できる気がする。さすがのクラスのみんなも、王様が頭を下げてお願いしているのに対して文句は出ないようだ。
「では、あまり待たせるのも悪いな。とりあえず食事にしよう」
それを合図に、僕たちはひとまず目の前のご飯に食べつくのであった。ここから僕の異世界生活がスタートする。僕はこの世界で、この不遇な職業で強くなってみせる。そう決意を新たにした。