第3話「僕の職業」
次からはもう少し1話あたりの分量を増やしたいと思います
やはり、自分の能力を測るとなるとドキドキしてくる。強くなくても良いけど…いわゆる、使えない能力はやめて欲しいところだ。
「なあ、これってお前が言うネット小説の話だよな。どんな能力になるかドキドキしてきたぜ」
「うーん…まあ、無難に剣士とかが良いんじゃない?ほら、颯太は剣道やってただろ?」
「まあ随分昔にやめたけどな。確かに剣の扱いなら多少はなんとかなる気がする。おっと、そろそろ俺の番だわ」
颯太が水晶玉の前に立つ。あれで能力を測るのか?さて、どんな能力になるやら。一通り終わって颯太が帰ってきた。
「で、どうだった?何かいい職だといいよな」
「俺の職業は剣豪…らしいな。予想以上に強そうだ」
「は!?おいおい、かなり良い職業っぽいじゃん」
「ま、俺のことは置いといて、さっさとお前も測ってもらえよ!」
「じゃ、僕も測ってもらうとするか。また後でな」
そしていよいよ僕の番だ。なんだか緊張する。まあ、なるようになるさ。
「僕で最後か。えっと、お願いします」
「はい。では、測りますね…貴方の職業は、銃士です」
「銃士?うーん、初めて聞くな。どのような職業なんですか?」
「え?そ、それはその…す、すみません!」
なんだろう。突然謝られたが…その時、周りにいた兵士達の話し声が聞こえた。
「あの少年…銃士か。かわいそうに」
「ああ、銃士と言えば魔法が使えず、魔力を込めて弾を放つからな。燃費もバカにならないし」
「まあ、戦い様によっては何とかなるだろ。あの少年には同情するが」
と、なにやら不吉なことが囁かれていた。とてつもなく嫌な予感がする。もしかして、僕の職業ってハズレだったり。
「あ、あの…王女様。もしかして、僕の職業ってあまり戦いに向いてなかったりします?」
「は、はい…残念ながら、今まで銃士だった方は魔法が使えず、弾に込めるための魔力も少なかったので…あまり戦闘面にはその、お役に立てないことが多かったりします」
なん…だと。そんなバカな。僕はせっかくの異世界まで来てまさかのハズレくじを引いたと言うのか。そのまましばらく放心していたら颯太と桜さんが来た。
「だ、大丈夫?楓君顔色悪いよ?」
「ちょっと話し声が聞こえてしまったんだが。もしかして、ハズレ引いたか?」
「ああ…なんか、不遇職らしい。魔法も使えないし、戦闘では役立たずだってさ。泣けてくるよ」
心機一転、この世界で気ままに頑張ろうと言うところで。早くも心が崩れ去ったな。さて、どうしようか。そういえば、桜さんはなんの職業なんだろう。
「ちなみに、桜さんはなんの職業だった?」
「私は聖女って職業だったよー?これっていいものなのかな?」
「…うん。トッテモイイショクダヨー」
やばい。誰も彼もなんでこんなに強そうな職業なんだ。僕なんか…いや、よそう。周りの兵士も言ってたじゃないか。要は使い方だって。僕は僕なりに頑張ってみよう
「みなさんの職業は把握致しました。個別で気になる方は、ステータスオープンと言ってみてください。そうすれば、自分の能力が詳しく分かりますよ」
どうやらここで一旦終わりの様だ。その後、それぞれの部屋に案内され、夕食の時間まで自由時間となった。てか、今更だけど国王にまだ会ってないよな。これでいいのか、国王よ。
「さて、そんなことよりも。ステータスだけ確認しとくか。えっと、『ステータスオープン!』」