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第19話 遭遇

作戦タイムは見事に失敗した。正直、ジェスチャーや絵で詳細なんて伝えられない。普通に話せたって伝わらないことがあるんだから、仕方がない。


我が考えていたのは、海藻で我を覆い隠し、人魚の国に潜入。状況を調べつつ、各個撃破というものだ。我のメタルボディはきらめきがすごいらしい。だからこっそり動くためには、モジャモージャのように海藻で我を覆い隠せばいいと思ったのだ。


ピンキーに海藻がある場所を聞くために、ジェスチャーを海藻を伝えたが、見事に失敗。絵なら海藻のことを伝えられるかと思ったが、またまた失敗。


夜まで待って各個撃破しようかと思ったが、人魚の国は光クラゲを町中に配置しているので夜でも明るいらしい。


もう考えるのもめんどくさい。正面から乗り込むことにしよう。我は結構強いみたいだから正面から行っても大丈夫だろう。


ふっふっふ。準備や作戦、小細工は弱者がするものよ。圧倒的な力があればそんなものは不要であることを思い知らせてくれる!


我はゆっくりと人魚の国へ向かい始めるのだった。



人魚の国は、国全体がぐるりと4mほどの壁に囲まれていた。石を積み重ねたものではない。珊瑚が成折り重なって壁になっているみたいだ。うん、珊瑚の壁には多くの小魚が住んでいるようだ。いいね。


さてどこから入ればいいのだろう。


お、前方から何か近づいてくる。シーサーペントが1匹先行してきている。その後ろに魚人たちが30名ほどの一団がこちらに向かってきている。


「ギャギャウ、ギャウギャウ!」

(キラキラしてるの発見! 確保すべし! )


シーサーペントはちょっと興奮しているみたいだ。魚人達が従えているって話だったけど、制御できてないんじゃないの。おっと、ピンキーがちょっとおびえている。我は珊瑚の壁を指さし、隠れているようにピンキーに指示する。我の意図が伝わったらしく、ピンキーは珊瑚の壁の間に潜り込んだ。


やった。やったよ! 人間やれば出来るんだよ! 我はゴーレムだけど。


{ログ:【悟りしモノ】の効果により、興奮状態が沈静化しました}


それでは前から来るヤツらをやってしまいますか。目前まで迫ってきているシーサーペントの顔にビンタをする。ちょっと状況を把握するために、このシーサーペントは生かしたまま確保したい。


{ログ:ゴーレムはシーサーペントに90のダメージを与えた}


シーサーペントは珊瑚の壁に突っ込み、動かなくなった。よし、息絶えたってログが聞こえなかったから、死んでないはず。OK、OK。グッジョブ。


後ろから来ていた魚人達が吹き飛んだシーサーペントを見て、少し怯んだ。警戒されたのか、我を取り囲むように展開している。


あっ、1人、何か指示されたヤツが戻っていく。伝令に走ったんだろうな。我のこっそり各個撃破していつの間にか戦いは終わっている作戦が崩壊した瞬間だ。なかなかやるではないか魚人達よ。


前にいた魚人達の5名が我に向かって銛を投げてきた。銛はロープでくくられているので、ロープを引っ張れば手元に戻せるようだ。よけるのはたやすい。しかし、圧倒的な力を見せつけるべきなのだ。我はあえてすべての銛をその身に受ける。


カッ、カッ、カッ、カッ、カッとすべての銛を我が身は弾いた。驚く魚人達。そんなに驚く事でもあるまいに。我は手前の魚人の近くに行き、めっちゃ手加減してビンタをする。殴ったら簡単に死んでしまうかもしれないしな。思いやり。大切なのは思いやり。少しだけ相手を思いやって行動すれば、交通事故だってきっと減るはず。


{ログ:ゴーレムは魚人に15のダメージを与えた}


魚人はすごい勢いで珊瑚の壁にぶち当たった。えぇっ!? あれでか。ダメージは15で弱かったと思うんだけど。呆然とする我。周りの魚人達も呆然としている。


{ログ:【悟りしモノ】の効果により、ぼんやり状態が解消しました}


息絶えたってログは出なかったので大丈夫だろう。きっと。そもそも戦いなのだから死ぬ危険はいつもあるわけだ。戦士たる者その程度の覚悟は持っておろう。


さぁ、ドンドン行こう。


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