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第18話 作戦ターイム

事を成し遂げるためには事前の準備が欠かせない。

段取り8割というくらいに、事前準備は大切だ。


魚人たちが人魚の国を攻め落とせたのだって、事前準備のたまものと言えないこともない。


どういう方法かはわからないが、シーサーペントを使役し、人魚たちに気づかれることなく国を包囲。反撃などを許すことなく、国を一気に攻め落とす。


うん、結構考えていると思う。


ピンキーがいうには人魚の国には人族やモンスターが入ってこれない結界がはってあったそうだけど、なぜか魚人たちは結界を素通りできたらしい。もともとの設定ミスなんじゃないのか、とも思ったけど、今までは確かに入れませんでした、としょんぼりしながら言うピンキーを見るとこっちも悲しくなってくる。


{ログ:【悟りしモノ】の効果により、悲痛状態が解消しました}


なんにせよ、人魚たちは結界で安心してちょっと平和ボケしてたのかもしれないね。どんな時も冷静に対処できるだけの準備をしておかないと。いざ、何かが起こったときにはどうにもできなくなるんだよ。


そう株式投資やFXでも逆指値はきちんと設定しておかないとダメなんだ。

備えあれば憂いなし。備えなければ憂いあり。


あのおばさんだって逆指値をしておけば、死ぬほどの損害を受けなかったかもしれない。


{ログ:【悟りしモノ】の効果により、憂鬱状態が解消しました}


・・・・・・まぁ、中国バブル崩壊があったから、株かFXで損をしたんだと思っているけど、男に捨てられた可能性もあるな。考えてもどうしようもないことは考えないことにしよう。



ということで、事前準備をするための作戦ターイム!


ピンキーと意思の疎通を図るために、ジェスチャーで作戦を伝えていく。当然ながらそんなに細かいことまでは伝わらない。しかし、我は必死にジェスチャーで伝える。我は【諦めぬモノ】なり! 


{ログ:ゴーレムは不安な踊りを踊った}

{ログ:小さな人魚のMPが5減った}


な、なんだと。我のジェスチャーが不安な踊りだと!? 


{ログ:【悟りしモノ】の効果により、動揺状態が解消しました}


ピンキーのMPを削ってしまったようだ。これはよろしくない。ジェスチャーは中断して他の手段で作戦を伝えよう。



ジェスチャーがだめなら絵だ。イラストだ。我は海底に指で絵を描いていく。ゴーレムの指は結構太いので細かいところが書きづらい。そのため絵は必然的に大きくなっていく。


我は必死に海底に絵を描いていく。しかしピンキーには伝わっている様子がない。うーん、うーんとうなっている。別にクイズ番組でないのだから早く当てて欲しい。


何度もいうが忘れてはならない。我は【諦めぬモノ】なり!


たとえ下手であったとしても、諦めなければ道はきっと開けるのだ。先生だって言っていたじゃないか。諦めたらそこで終了だと。ツンツン頭的にいうならば、まだ諦めるような時間じゃない、ってことだ。


我はせっせと海底に絵を描いていく。


{ログ:ゴーレムが不安を与える絵を描いた}

{ログ:小さな人魚が混乱した}


な、なんだと。我の力作が不安を与える絵だと!?


{ログ:【悟りしモノ】の効果により、動揺状態が解消しました}


現実とは常に残酷だ。目を背けるのはたやすい。しかし、それではダメなのだ。少しずつでも前に進まなければ。


人間だったときに「画伯(笑)」とは呼ばれてない。ゴーレムになった後でもそれは変わっていなかった。芸術センスが我も欲しい。





ーーピンキー視点


なんということでしょうか。人形様と一緒に隠し通路を通って王宮まで一気に進もうと思ったのに。人形様は隠し通路を通ることが出来なかったのです。


すると人形様はジェスチャーで無理無理と伝えてこられます。私はどうすればいいのでしょうか。途方にくれる私の横で人形様がゆらゆらと揺られておられます。


なんでしょう。ふしぎな踊りです。ゆらゆらゆらゆらと揺られておられます。心の中がもやもやしてきます。精神力がすり減っていく感じがします。



すると人形様は次に海底に指で何かを描き始められました。

かなり大きな絵です。最初は人形様のすぐ横で見ていたのですが、途中から大きすぎて少し上からでないと全体がわからなくなりました。


最初は、地の底からわきたつような何か。怨念でしょうか。さきほどのゆらゆらとゆれておられたのはこれを表していたのかもしれません。うーん、何を伝えたいのでしょう。


次に、矢印ですね。矢印の先に続くようです。


その先にあったのはぐるぐるに丸まった何か。これは怨念がうねりをともない一つになったということでしょうか。人形様にもなれば、今の人魚の国を見るだけで、倒れた人魚達の怨念が見えるのかもしれません。


なおも描き続けられる人形様。


私はどうすればいいのかわかりません。不安な気持ちが抑えられません。お母様、どうかどうかご無事で! 私たちをお助けください!


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