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第15話 人魚

藻を払いのけると目の前には人魚がいた。


人魚!? 


人魚だよ!! おぅ、ファンタスティック! 異世界っぽい。実に異世界っぽいよ!


{ログ:【悟りしモノ】の効果により、興奮状態が沈静化しました}


冷静に人魚を観察する。


我の半分くらいの大きさだ。50cmくらいか。実に小さい。下半身は魚で上半身は人間だ。そして幼さの残る整った顔立ちをしている。ビキニの上のようなモノを付けているから女の子なのだろう。真っ平らだけどさ。ピンク色の髪の毛はうなじのあたりでひとまとめされている。


これはあれだ。かなりかわいい。ロリコンホイホイみたいな容姿をしておるよ! 実にカメラが欲しい。パシャって一枚記念に撮りたいぜ!


{ログ:ゴーレムは心のシャッターを押した。小さな人魚を記録した}


えっ、マジで!? マジで!? マジでか!?

どうやって見るんだ? どうやって見ればいいのだ!?


ステータスか? ステータス画面を開けばいいのか!!?

スッ、ステータス!!


{ログ:【悟りしモノ】の効果により、興奮状態が沈静化しました}


ーー

名前 ゴーレム

種族 メタルゴーレム

Lv 10 

ステータス 

最大HP:578

最大MP:551

攻撃力:255(+0)

防御力:255(+0)

素早さ:213

頭 脳:209

運  :255


スキル

【ステータス固定】

【復元】

【覚醒】

【悪あがき】

【通訳】

称号

【変わらぬモノ】

【悟りしモノ】

【諦めぬモノ】

【声のトモダチ】

ーー


くそ、何も変わってない。これは世界の声にだまされたのか。ままならぬものだな。だが、それが生きるってことさ。


ま、まぁ、我はロリコンじゃないから、別に見れなくても問題ない!


心の中ではいろいろと思っていても、体は動かしていなかったので、我と人魚は向かい合ったままだ。ゴーレムなので表情も変わらないから、我の外見から我の内面を察するのは不可能だろう。本当にゴーレムでよかった。


人魚はスーハースーハーと呼吸を繰り返している。緊張しているのか、ちょっと挙動がおかしい。最後に大きく手を広げて息を吸い込み、手を前にしながらハーっと息を吐き出して、ようやく人魚がしゃべりかけてきた。


「い、い、い、いと強きお方。どうか私たちを助けてくだしゃい!」


あっ、噛んだ。そしてちょっと泣きそう。とりあえず首をかしげてみる。するとさらに勢い込んでしゃべりかけてきた。


「わ、わ、私たち人魚の国に魚人達が居座ったのです! 私たちも最初は抵抗したのですが魚人達は強くて女王様たちが囚われてしまいました。それで魚人達が国に居座り、私たち人魚の国に住む者達に隷属を要求してきたのでしゅ」


あっ、また噛んだ。ふむふむと首を頷き、聞いてますよとアピールする。


「暗き海へと向かって歩み続けるあなた様には目的があるのでしょうが、どうか私たちをたしゅけてください!」


しゃべり終えた人魚は頭を下げて必死にお願いしてくる。地面に額と手をつき、お願いしてくるその姿勢はまさに土下座スタイル。


まさか人魚に土下座でお願いされることになるとは。だが、気になることを人魚は言った。暗き海へと向かっているとはどういうことだ。やっぱり深い方に向かっていたということだろうか。そしてここはやはり海の中だったのね。


土下座をする人魚の肩をちょんちょんとつつく。人魚がおそるおそる顔を上げてこちらを見あげてくる。


我は肯定を表すように大きく頷いた。


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