第12話 シーサーペント
我はゴーレムなり。
ただいまシーサーペントたちに囲まれております。ざっと見て17匹ほどシーサーペントが我を取り囲んでおります。
「ギャウギャウ!」
(今度は負けないべ!)
「ギャウギャウ!」
(調子に乗るんじゃないヨ!)
「ギャウギャウ!」
(やったるで!)
どいつもこいつも1度や2度殴り返したことがあるやつばっかりだ。見逃してやったのに、わかってないのか。レベルアップしてもステータスが増えたりしないので、倒す意味はないんだよ。無駄な殺生はしたくないってのに。
そんなことを考えているとシーサーペント達は一斉にブレスを放ってきた。荒ぶる水の流れが我に襲いかかってくる。しかし、その程度の攻撃では我にダメージを与えることはできない。
一番近くにいたシーサーペントの懐に入り込む。相手もギョッとしているが、ブレスの途中で動くことが出来ないようだ。
今まではワンパンで許してやってたけど、ワンツー、ドンだ!
ドゴ、ドゴ、ドゴン!!
{ログ:ゴーレムはシーサーペントに435のダメージを与えた}
{ログ:シーサーペントは息絶えた}
{ログ:ゴーレムはLv10に上がった}
それでも周りのシーサーペントはブレスを放ち続けている。さらにもう一匹のシーサーペントに近づき、ワンツー、ドンをお見舞いしてやる。
ドゴ、ドゴ、ドゴン!!
{ログ:ゴーレムはシーサーペントに420のダメージを与えた}
{ログ:シーサーペントは息絶えた}
2体目のシーサーペントが死んだところで、ようやくブレス攻撃が止んだ。後ろの方にいた小さめのシーサーペントはブレスが終わると同時に逃げ出した。
逃げよ、逃げよ。我は去る者は追わぬぞ!
それでもまだ7体程度のシーサーペントが残っている。
「ギャウギャウ!?」
(なんたること!?)
「ギャウギャウ!」
(許さへんで!)
「ギャウギャウ!?」
(やばいんじゃね!?)
怒り心頭のヤツが3匹で、他はちょっとびびってるな。怒ってるヤツは前の方にいる結構大きい奴らだ。18〜20mくらいありそうだ。一番でかいヤツが大きな咆吼をあげながら、飛びかかってきた!
「ギャウギャウ!」
(死にさらせ!)
降りかかる火の粉は払いのけねばならない。我は落ち着いて、シーサーペントの牙をかわし、横にまわりこむ。精神を集中しワンツー、ドン。
ドゴ! ドゴ! ドゴン!!
{ログ:ゴーレムはシーサーペントに810のダメージを与えた}
{ログ:シーサーペントは息絶えた}
一番でかいシーサーペントを倒したからか、びびってたヤツらは逃げ出した。ふっふっふ。逃げよ、逃げよ。我は去る者は追わぬぞ!
さて、これであと2匹。でも、残りの2匹もちょっとひるんでいる。どうでてくるだろうか。
ジリジリと我はシーサーペントに近づく。ジリジリと後ずさるシーサーペント。
ジリジリと近づく。ジリジリと後ずさる。
ジリジリ。ジリジリ。
なんか野良猫を撫でるためにジリジリと近づいたのを思い出す。なんだかほんわかとした気持ちになる。
あきらかに雰囲気がかわったキラキラした物体を前にシーサーペント2匹はさらに後ずさる。シーサーペントたちにとっては生死がかかっており、ゴーレムのほんわかした気持ちなどわかるわけもない。
高まる緊張感。我慢しきれなくなったシーサーペント達はついに逃げ出した。
ーー
名前 ゴーレム
種族 メタルゴーレム
Lv 10
ステータス
最大HP:578
最大MP:551
攻撃力:255(+0)
防御力:255(+0)
素早さ:213
頭 脳:209
運 :255
スキル
【ステータス固定】
【復元】
【覚醒】
【悪あがき】
【通訳】
称号
【変わらぬモノ】
【悟りしモノ】
【諦めぬモノ】
【声のトモダチ】
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