第一話 入学式
薬の魔女(β):警察庁特別捜査部
(ドラッグウィッチ)
プロローグ
警察庁内にて
二季瀬浩輝「お呼びか、ジジイ。」
二季瀬晴宗「ジジイとはなんだ、浩輝。」
浩輝「もう立派な爺さんだろ。」
晴宗「確かにそうだが、警察庁長官に向かってジジイとはなかなか度胸があるじゃないか。(−_−#)」
浩輝「たっくもう。どうしてもなら父さんを通して話せよ。」
晴宗「俺は孫をこんな奴に育てた覚えは無いぞ。歳上や親には敬語を使えと言った筈だが?」
浩輝「あーもぅ、分かったよ。
一体なんの用件でございましょうかジジイ様。」
晴宗「とことん馬鹿にしておるな…
まぁいい、浩輝。歯、食い縛れ。」
浩輝「は?…あぁぁぁああぁぁぁあ⁉︎
痛い痛い痛い痛い痛いいぃぃぃぃい‼︎
ちょ、やめてやめてやめてッ‼︎
てかゴメンなさいッ⁉︎」
晴宗「止めんわ‼︎お前が反省するまでな‼︎」
コンコン。
晴宗「…入れ。」
瀬橋雪奈「お呼びですか…長官…?」
晴宗「コホン。来たか、瀬橋。
お前ら二人に頼みたい事がある。
後から来る三人と一緒に名門、黄泉坂学園に入学し、"ある人物"の監視、護衛をして欲しい。」
浩輝「ある人物?」
晴宗「あぁ、ある意味で危険な人物だ。」
そう言い、晴宗長官は自分のパソコンのデスクトップに"幕水皆世"のデータを表示した。
「 幕水皆世
誕生日 10月14日
年齢 15才
政府公認の"薬物界の重鎮"一家の長女
危険物取扱者の免許持ち、
薬学士で、国家試験もパス。
毒物学、薬学、深層心理学などに幅広く
精通している。」
浩輝「なんで俺らにそんな仕事を?」
晴宗「年齢の問題があるだろう。」
浩輝「あ、そっか。」
晴宗「全員に衛星携帯電話を支給してやるから、なんかあったら呼ぶことだ。
入学式明後日なんでな、制服を着たりして用意しておけ。」
瀬橋&浩輝「了解しました。」
晴宗「あ、ついでに、パソコンも支給したぞ。データはそこから見れるから頑張れよ」
浩輝「へいへい。」
晴宗「敬語は?」
浩輝「ハイッ‼︎」
晴宗「行ってよし。」
瀬橋「失礼しました。」
浩輝「失礼ーしましたー。」
バタン。
二季瀬浩輝「なぁ、雪奈。」
瀬橋「…言いたいことわかる。」
二季瀬「なんて言いたいと思う?」
瀬橋「"標的が美人だなぁ"」
二季瀬「エスパーか、お前は。」
瀬橋「顔に書いてた。」
二季瀬「まぁ、明後日に備えて」
瀬橋「寝る でしょ。」
二季瀬「…(やっぱこいつエスパーかなんかだろ。)」
瀬橋「図星?」
二季瀬「(;^_^A」
瀬橋「図星ね。
まぁいいわ。じゃ、明後日ね。おやすみ。」二季瀬「お、おやすみ。」
その頃、警察庁薬学研究所にて、
研究員「荷足さん、警察庁長官からメッセージ来てますよ。」
荷足要「あ、あぁ。」
パソコンからメッセージを開く。
「荷足要研究員へ
忙しい所済まないな。
何人かに仕事を頼みたい。
君はもうすぐ高校生だろう?
受験はしていないようだし、
丁度いいから黄泉坂学園に
入学してくれんか?
二季瀬と瀬橋が一緒に行く。
二人には話してあるからあとはよろしく」
荷足「はぁ…長官は何を考えているのやらわからないよ。明後日が入学式?
仕方ない…あの二人だけは少々心配だしな。少し助けてやるか。」
2日後…
二季瀬「おはよう。」
瀬橋「おはよう。」
荷足「…おはよう」
二季瀬&瀬橋「( ゜д゜)」
荷足「なんだ、不満か?」
二季瀬「いや…来るのこれだけ?」
瀬橋「少なくないですか?」
荷足「…確かに。」
瀬橋「…ところで、今何時ですか?」
荷足「8:27」
瀬橋「のんびり考えてる間ありませんよ‼︎」
二季瀬「どうした?」
瀬橋「どうしたもこうしたも、8:30に入学式始まりますよ⁉︎」
荷足「は…」
二季瀬「走れッ‼︎」
無事入学式に滑り込んだ三人は、
何事も無かったかのように手続きを済ませ、
入学式を終わろうとしていた矢先。
幕水皆世「皆さん初めまして。
私、黄泉坂学園高等学校の六年一貫生の代表をしております、幕水皆世と申します。
高校入学組の皆様。
この学園に来られたのなら、
私共々仲良くしてくださいね?
三年間よろしくお願いします。」
標的であり護衛対象でもある幕水皆世が
数人の護衛と共に壇上で挨拶をし、
踵を返して去っていった。
その後、特に何もなく入学式が終わり、
正門から中央棟に続く桜が咲き誇る道で三人は口々に話していた。
二季瀬「やっぱ幕水って美人だな。」
瀬橋「私は?」
二季瀬「…」
瀬橋「なんとか言えば?」
二季瀬「か、かわいいよ…」
ガンッ
二季瀬「ちょ…雪奈…回し蹴りはないわー」
瀬橋「五月蝿い。ちょっと自重しなさい。」
二季瀬「…はい。」
荷足「相変わらずだな。
騒がしいのは変わらんか。」
二季瀬「あ、あのー…助けてく(ry」
ガンッ‼︎
荷足「お、おい…瀬橋、やり過ぎだ。」
瀬橋「要まで文句言わないで‼︎
っていうか苗字で呼ばないで‼︎」
ガンッガンッ
荷足「ご、ごめん雪奈。」
瀬橋「そうそう。幼馴染みなんだから、
名前で呼んでよね。」
二季瀬「に、しても、なんか変だな。」
荷足「何がだ?」
二季瀬「いや…なんと言うか…匂い?」
荷足「お前は犬か。」
二季瀬「いや…なんとなく。」
荷足「…あれなんだ?」
荷足が正門奥を指差す。
そこには紋章付きの黒色リムジンが停車していた。
明らかに学生が乗るようなものでは無い。
二季瀬「ちょっと追っかけるか。」
瀬橋「ちょ、追っかけるなら手帳出して‼︎」
二季瀬「んなことしてる暇ねーな‼︎」
荷足「待てッ‼︎浩輝!」
その瞬間から、二季瀬浩輝一行は
標的、幕水皆世の居る"裏世界"へ突入する事になる。
はじめまして。(実は二回目かもしれない)神凪というものです。
初めての連載小説、αと平行した作品です。
至らぬところもあるかと思いますが温かい目で見てくれたらと思います。
今後、よろしくお願いします。