*一
あとは枯れていくのみだと思っていた。
春になれば桃色の花を咲かせ、人を惑わすほどの魅了を振りまいて……。そうして私は私という存在を全うするのだと思っていた。
しかし、嗚呼、どうしてだ。このような力は必要ではなかった。こうまでして私は生きながらえたいわけではないのだ。
(意識が薄れる。)
人を引き付け、酔わせ、そして――私は……。なぜだ。なぜ私なのだ。どうしてこのまま、幸福に終わらせてくれないのだ。
奴らは何モノだ。何が目的なのだ。私にこんな仕打ちをして、奴らは何を得ると言うのだ。
(別のモノが入り乱れる。)
やめてくれ。もう、これ以上、意に沿わぬ終わりを……迎えたくない。
(チカラが……。)
誰か、誰か私を止めてくれ。
(チカラが欲しい。)
どうか、私を……。
(そうだ。それで良い。)
……殺してれ。
(貴様らの命を使い、私はまた花を咲かすのだ!)
(さあ、惑え。そして朽ちるが良い! 私はそれを望む!)
どうか……どうか…………。