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玉藻前の尾探し譚 ~老桜を眺む~  作者: 歌多琴
1 新たな魔術師
2/41

*一

 あとは枯れていくのみだと思っていた。


 春になれば桃色の花を咲かせ、人を惑わすほどの魅了を振りまいて……。そうして私は私という存在を全うするのだと思っていた。


 しかし、嗚呼、どうしてだ。このような力は必要ではなかった。こうまでして私は生きながらえたいわけではないのだ。



              (意識が薄れる。)


 

 人を引き付け、酔わせ、そして――私は……。なぜだ。なぜ私なのだ。どうしてこのまま、幸福に終わらせてくれないのだ。


 奴らは何モノだ。何が目的なのだ。私にこんな仕打ちをして、奴らは何を得ると言うのだ。



         (別のモノが入り乱れる。)



 やめてくれ。もう、これ以上、意に沿わぬ終わりを……迎えたくない。



      (チカラが……。)



    誰か、誰か私を止めてくれ。



   (チカラが欲しい。)



        どうか、私を……。



 (そうだ。それで良い。)



            ……殺してれ。



 (貴様らの命を使い、私はまた花を咲かすのだ!)


 (さあ、惑え。そして朽ちるが良い! 私はそれを望む!)


 

              どうか……どうか…………。


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