カカの天下916「未来のお話(妄想)」
お久しぶりです、カカです。
・・・お久しぶり? なぜかそんな気がする。
というわけで、サユカンに会いに来ました。
「やっほーサユカン」
「待ったわよっ」
いきなり自宅訪問したはずなのに、なぜかそんなことを言われる。
「あれ? 行くって連絡してあったっけ」
「連絡はもらってないけど、来る気がして待ってたのよっ」
それで怒られても困る。
「3年弱、待った気がするわっ」
気のせいでしょ。
・・・あれ? 気のせいだよね?
「それで、わたしに何の用なのっ」
「久々すぎて忘れた」
「あんたの頭はほんとに3年近く経ったんじゃないの」
ほんとにそうかもしれない。
「もしそうだとしても、サエちゃんとサユカンは何年経っても親友だよ」
「そうね、おばさんになって3人でスナックで飲み散らかしましょうっ」
割といい未来かもしれない。テンカ先生とかいそう。
「つぶれたトメさんはわたしが持ち帰るわねっ」
「いいけど、それ結局私んちに連れてくんだよね?」
「その時はわたしと同棲してる設定だから」
知らんてそんな設定。
「子供は2人いるんだけど下の男の子は総理大臣になってお米の価格を下げてやるんだって熱意がある子で上の子はアメリカに行って株価をなんとかするんだって言って燃え上がっていてトメさんのお姉さんに『わたち狙われるかもしれないからボディガードよろしく』『任されよ』とかやり取りしてる愉快な家族はトメさんを連れ帰るころにはすっかり就寝していて前後不覚なトメさんを私はこっそり自室に連れこんでなるべく音を立てずにふひへへ」
「長い長い怖い怖い」
息継ぎしてないこの人。
「あれ、じゃあその家に私いないんだ。私なにしてるの? その時代」
「タケダと結婚してる」
「なんで私だけバッドエンドにするの?」
「いいじゃないのタケダカカすけ。意外と語呂いいわよっ」
「タケダサユカンもいいじゃん」
「やめてよ汚らわしいっ」
「汚らわしいと思うものを押し付けてこないでよ!」
あれ? あっちにタケダっぽい背中が走ってった。しまった、サユカンちの玄関先で喋ってたの忘れてた。
「カカすけ、そんなおっきい声で近所にタケダが汚らわしいことを言いふらすなんてひどいっ」
「さっきのサユカンの妄想もひどいが」
「あれは予言だからいいのよっ。ほら、さっきから聞いてるそこの近所のおばあちゃんもニコニコこっち見てるじゃないっ」
あの人、私達が愉快だから見物して笑ってるんじゃないの?
「もう見世物になるのも恥ずかしいから、帰るね」
「えーっ、もう少し妄想ごっこしない?」
妄想言うとるやん。
「じゃあ・・・その時代、姉は結婚してる?」
「してるわけないわよ?」
え、真顔。語尾の「っ」が入らないくらい真顔。失礼。
「それよりカカすけの新婚生活の話しましょうっ?」
「帰る」
「タケダが仕事も家事も全部やって、カカすけは働かず偉そうにしてるだけっ」
「サユカンはトメ兄に浮気されて捨てられる!!」
「はぁぁぁぁっ? 誰と浮気するのよっ!?」
「私だ!!」
「えぐいっ!! タケダとよろしくやってなさいよ!」
「タケダもトメ兄と浮気!」
「トメさん趣味広い!!」
「私は最終的にサエちゃんと結婚してハッピーエンド!」
「タケダとトメ兄はどうするのっ!?」
「捨てるからあげる!」
「じゃあわたしタケダだけ捨てるっ!」
なんだか私と結婚の話になったときフラフラこっちにきたけど捨てる話になったら泣きながらまたどっか走っていったタケダの気配がする。あと見てるおばあちゃんがなんか拍手してる。見世物じゃないて。
「はぁ・・・そろそろ帰るね。楽しかったぜサユカン」
「わたしも久々に楽しかったわ。いつでもきなさいよっ」
うん、いつでも行く。
まだまだこれからも、みんなで元気に生きてくんだから。
お久しぶりですね。
ほんまに笑
久々すぎてメタいことも書きましたが、物価も高くなっている中みなさまいかがお過ごしでしょうか。
絶対に毎日1話上げるマンだったころ、一緒にこの作品を感想欄から楽しんでくれた仲間たちは元気にやっているといいな。
ちなみに私はお仕事はバリバリに忙しいけど順調です。
みんなも健康で人生楽しんでますように。