カカの天下912「疲れた時にはいっぱい食べよう」
毎度のことながらお久しぶりです!
内容はライト? だけど、また更新させていただきました!
こんにちは、トメです。
今日は日曜日、最近の仕事が忙しかったせいか、もうお昼を過ぎるかという時間まで寝てしまいました。
「……え? やば! ご飯の用意をしないと!」
布団を蹴っ飛ばして立ち上がり、ふと気づく。
はて。いつもなら朝ご飯をよこせとカカが叩き起こしにくるはずなんだが。
周囲を見渡してもいつもの僕の部屋。空腹魔人が僕を起こそうと荒れ狂った形跡はない。
「カカも寝坊したのかな」
首を傾げなら部屋を出て、とりあえず居間にいってみる。
すると信じられない光景が。
なんと。
カカが昼食を食べていたのだ。
テーブルの上に広げられた、明らかに手作りな料理を!!
「カカ!?」
「あ、トメ兄おはよう。ねぐそ付いてるよ」
「ねぐせだよね!?」
「違う」
「違わないで!? や、それよりも」
「ねぐそより大事なことあるの?」
「なかなか無いけどねぐそもない! それよりもその料理は? まさかおまえが作ったのか!?」
成長した成長したと思ってはいたが、まさかそこまでの進化を遂げていたとは。お兄ちゃんびっくり。
「お腹減ったからサユカンに作らせた」
図々しい図々しいとは思っていたが、まさかここまでとは。お兄ちゃんびっくり。
「……それ、ハンバーグだよな。手作り?」
「手作り」
「そのオムライスは」
「まぁ、手作り」
「その奥に見えるアップルパイは」
「手作り。ちなみにオーブンはサエちゃんちの借りたみたい」
「めっちゃ大変やないかい」
カカのわがままとはいえ、なぜここまで……ん?
「おい、その料理人はどこいった」
「用済みだから帰した」
「最低かおまえは!?」
「本人はトメ兄のために料理作って幸せそうだったよ」
「いま幸せそうに食べてるのは誰ですか?」
「トメ兄の分身と呼んでも過言ではないコノワタシ」
「それでサユカちゃんが喜ぶとでも?」
「多分泣いて喜ぶ」
それ普通に泣いてるだけ。
「カカ……友達にはもっと気を遣いなさい。いくら自分が食べたかったとはいえな、そういうわがままは僕に」
「だってトメ兄、疲れてるでしょ」
「……あい?」
「トメ兄のために作ってもらったのは本当だよ。ほら、ちゃんとトメ兄の分」
カカがもぐもぐしてるゾーンにばかり視線が向いていたが、よく見ればテーブルの対面にはきっちりもう一人分のお料理が。
「冷める前には起こしに行こうと思ってたんだけど」
「え、まさか、本当に? 疲れてる僕のために?」
「そう」
「友達を利用して?」
「そう」
「素直に喜べないんですけどっ!」
「なんでよ。サユカンは料理できて嬉しい。サエちゃんは出番が少しあって嬉しい。私は美味しい。トメ兄も美味しい。みんなハッピーじゃん」
「いや、たしかにそうなんだけど……」
「トメ兄、いつもお疲れ様っ!」
「それをカカの手料理と一緒に言われたらどれだけ幸せだろうか」
「サユカンと私は同化しそうなくらいマブダチだから私が作ったようなもんだよ」
分身だの同化だの不確定な妹生物である。
「気持ちの問題だよ」
「サユカンの気持ちたっぷりだよ?」
「む、それはありがたく頂くけど」
「贅沢ばっかり言って」
そうなのかもしれない。カカが僕を心配してくれたことには変わりないしな。
「そうだな! ありがとうカカ! いただくよ。あとでサユカちゃんにもお礼言わないとな!」
「うん。めしあがれ」
席について、とりあえず目の前のオムライスを頬張った。
「うまい!」
「幸せ?」
「うん!」
「よかった! あのね、実はね、恥ずかしくて言えなかったんだけど、そのオムライスだけはね」
「おお、まさか?」
「私が」
「作ったのか!?」
「買ってきた」
ですよね!
未だに読んで感想くれる方々の近況を見て、それがどれだけありがたいことなのかと、すぐに返信できなかった自身の腑抜けさが恨めしい……。
皆様お元気でしょうか。私は元気です。数年前、毎日更新を達成しようとがむしゃらに書いて駆け抜けた二年間。
あの頃といかないまでも、やはりこの作品は自分にとってすごく大切です。色々とあって目を背けていた時もありましたが、カカたちを書いてるときの安心感が……
筆不精ながら、また戻ってきたときは構ってくれると嬉しいです。