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カカの天下  作者: ルシカ
910/917

カカの天下910「()2」

 こんにちは、カカです。


 今日はサエちゃんとサユカンと三人で、商店街の喫茶店に来ています。三人して仲良くクリームソーダを飲みながら、窓際の席から外の様子を覗いています。


「こうして見ると、結構いろんな人がいるよね。みんな何を話してるんだろ」


「窓が少し開いてるから、通りすがりの会話が少し聞こえてくるねー」


「ちょっと、盗み聞きなんて趣味が悪いわよっ」


「あ、トメ兄とサラさんだ」


「ちょっと二人とも黙って! 会話が聞こえないわっ。むむむ、何を話してるのかしらっ」


 3秒前のセリフどこいった。


「あ、行っちゃったわっ! むむむ、気になるわ」


「多分ホワイトデーのときの説明をしてたんだと思うよー」


 あー、あれね。皆は大変だったみたいだけど、それぞれトメ兄との関係を修復するために頑張っているらしい。ちなみにサユカンはやらかした翌日にうちへ特攻してきたので既に誤解? は解けている。


「そういえばこの間ね、トメ兄と()遊びしたの」


「なによっ、かっこ遊びって」


「会話の後に()って付けて遊ぶの」


「だから、それがどうして遊びになるのよっ」


「んとね、例えばね、サユカン。すぐそこを通る人たちの会話の後に()をつけてみるんだよ」


 お、他人の会話で遊ぶんだね。どれどれ……そこを通るのは中学生の男の子二人だ。


「あの子達の会話の後に、()を付けてみるとー」




 男の子二人はこんなことを話していた。


「お腹空いたな(サユカちゃん食べたい)」


「あ、あれ美味しそう(サユカちゃんだ)」


「脂身がたっぷりでジューシーだね(サユカちゃんが)」




「――という感じ」


「どういう感じっ!?」


「把握したー」


「何をよサエすけっ!」


「つまりはー」


 サエちゃんは外にいた女子高生に目を向けた。




「あいつ(サユカ)スゲームカつくー」


「あいつ(サユカ)ぜってーチョーシのってるよね」


「あいつ(サユカ)最近5kg太ったってー」


「マジでー? (サユカ)豚じゃん!」


「こないだくしゃみしたら、サユカ! っていってたよ」


「マジウケル! マジサユカ!」




「――という感じだねー」


「最後のほうおかしくないっ!?」


「マジ豚サユカー」


「なんでわたしをジューシーにしたがるのよっ!?」


「ぶーぶー?」


「ぶっとばすわよっ……!」


「まぁまぁ、二人とも。もうちょっと平和な感じに()を使おうよ」


「なによっ、例えばっ!?」


 私は外にいた、なんだか急いでるお姉さんに目を向けた。




「急がなきゃ!(注文したヅラが届いちゃう!)」




「どう」


「意味わからんわっ」


「じゃあ……」


 手当たり次第にいこう。




「鼻がかゆい(耳がかゆい)」


 どっち。


「あんたなんか嫌いだもん(嘘だけど)」


 あまずっぱい。


「はぁ、カカ君に会いたい(カカ君に会いたい)」


 大事なことだから二回言いました。がんばれタケダ。


「おすし食べたい(トロ! トロ! 中落ち! 中落ち!)」


 頭はトロトロ。


「なぁ俺達、もう終わりだな(おまえを殺す)」


「私、楽しかったわ(おまえを殺す)」


 エキサイティング!




「ねぇカカすけ。ちょっと突飛すぎるのばっかりよっ。もう少しまともにならないの?」


「じゃあサエちゃん任せた!」


「ん、わかったよー。じゃーあのカップルの会話をやり直してみよー」


 サエちゃんは私がたった今()付けしたカップルに目を向けた。




「俺達、もう終わりだな(こんなに好きなのに)」


「私、楽しかったわ(永遠に続けばいいと、思ってた)」


「長かった、な(幸せだった)」


「ええ、本当に(なんで別れないといけないの?)」


「じゃあ……元気でな(好きだったよ)」


「えぇ……元気で(まだ好きなのに)」


「さようなら(ごめん、でもこれでいいんだ)」


「さよう、なら(大好き、なのに)」


 二人は別々の道を歩いていった。




 沈黙。


 あれこの話ってコメディじゃなかったっけ。


「え、っと、サエちゃん? これなんか、重くない?」


「ドラマチックでしょー」


「ドラマチックすぎるわよっ! 気になるわよっ! どうなるのよあの二人っ!」


「終わったねー」


「そんなあっさりしていいのっ!?」


「いやー、でもこんだけ綺麗に終わっておいてまたズルズル関係が戻るのも微妙じゃないかなー?」


「じんせいー、いろいろー♪」


「歌ってるし……幸せになってね、二人とも(まぁどうでもいいけど)」


「サユカンが内心ひどいことを思ってる」


「ちょっとサエすけっ、勝手に()を足さないでよ。あんたがひどいわっ(でもそこが好き)」


「サユカンってばツンデレさんだね(たい焼き食べたい)」


「ちがうわよっ、これはサエすけが勝手に(今日はわたしのおごりよっ)」


「わーい、今日はサユカちゃんのおごりだよー(破産させちゃおー♪)」


「マジか! やったね!(たこ焼きも食べたい)」


「だーかーらー! 勝手なこと言わないでよっ(でも好き勝手にされちゃうとドキドキしてついつい言うことを聞いちゃうのっ、わたしってマゾなのかしらっ! ウフフッ!)」


「ウフフ!」


「ウフフー!」


「いやいやいやっ! セリフより()の中が長すぎるわよっ(ウフフッ!)」


「ウフフ!」


「ウフフー!」


「あーもーうるさ(ウフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ)えぇい、怖いわっ!)


 あまりに笑いすぎた私たちは店員さんにうるさいと注意されたのであった。ウフフ!(反省してない)。




また間が空いてしまいました……すっかり筆不精になってしまいダメですな。もう少し調子取り戻さないとタケダとか書く気になれない(ぇ。がんばらせろタケダ。

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