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カカの天下  作者: ルシカ
904/917

カカの天下904「愚痴を肴に進んだ話」

 こんばんは、かんぱーい。


「んぐんぐ、くはぁー! 飲まなきゃやってられないよ」


「……そうか」


「彼女を選べって? そんなこと急に言われても困るっての。なぁ?」


「……まぁな」


「僕は僕のペースで考えたいんだからさぁ」


「……そう」


「あぁ、ごめんな愚痴ばっかで」


「……うん」


「でもこんなこと愚痴れるのって中々いなくてさ」


「……そうか」


 だからって。


「その選択肢のうちの一人に愚痴りまくるのもどうかと思うんだが」


「そか? いいじゃん。テンだし」


 そうです、私がテンなんです。


 なんか昔の~なおじさん風に言ってみたが(わかんないか)、見ての通り読んでの通り。なぜかトメの「彼女選び」に対する愚痴を正面から受けているオレ。


『話がある。いつものところで』


 そう呼び出されてきたんだが……


「ちょっと驚いたんだがな」


「なんだ、ドキッとしたか?」


「ぎくっとした」


「何わるいことしたおまえ」


「るっせぇな、いろいろだよ」


「したのかよ」


「ったりめぇよ。オレ様だぜ」


「そんな自信満々に何をした。犯罪か」


「なんだと思う?」


「こわい」


「言えよ!!」


「犯罪者!!」


「決め付けるな!」


「じゃあ何したか言えよ!」


「オレがトメに言えっつってんだろ!」


「テンこそ言えよ!」


「なんだよこのケンカ!」


「わかんねーよ!」


「カンパイ!」


「カンパイ!」


 なんだかんだで、とりあえず愚痴とは思わなかった。てっきり、いやなんでもねぇ。


「ったく、こんな場面をあいつらが見たら何を言うやら」


「あぁ、今回のイベント関係者か」


 上手いこと言うなコイツ。


「見つかったらめんどくせぇぞ」


「いいじゃん、おまえと飲みたかったんだよ。親友だろ?」


「む……そうか」


 イベントがイベントだけに複雑な気分がしないでもない。


「あー、しかしなー、どうしよっかなぁ。カカで逃げられないのが痛いよなぁ」


 律儀にルール守って悩むあたりクソマジメだよなコイツ。


「好きなやつを彼女にすればいーじゃねーか」


「みんな好きだし」


「ハーレム希望か恐れいったぜ。カンパイ」


「そういう意味じゃないわい! 恋愛とかしばらく考えてなかったし、急に言われても」


「乙女チックなセリフだ、カンパイ」


「うるさいカンパイ」


 んぐんぐ、酒は美味い。


「とりあえず無難なヤツを選んで付き合ってみたらどうだ?」


「無難な人間が僕の周りにいるのか」


「んー……サラさんとか」


「確かに一番普通だけど」


「一番エロいし。身体が」


「たしかに」


「なー」


「カンパイ」


「カンパイ」


 同士で交わす盃はいいねぇ。


「でもサラさんはなぁ」


「問題でもあんのか」


「なんというか……もし一緒になったとしたら」


「ふむ」


「妹が増えたようにしか思わなさそうなんだよな」


「所詮はシスコンか」


「そうじゃなくてさ、あの人ってドジじゃん」


「確かにいろいろと無能だな」


「だからカカに加えて、世話する人間が増えるだけって感じになりそう」


「なるほど、トメとしては対等な相手が良いってことか」


「んー、そうなのかな」


「役立たずは却下と」


「そこまで言わないけど」


「そうだな。夜はめちゃくちゃ役に立ちそうだし」


「そだね」


「あっさり頷く辺り、酔いが回ってるな」


「テンこそ結構ペース速いじゃん」


「そか? おーい、おかわり二つ!」


 久々の酒だから美味いぜぃ。


 ふむ、話を戻すと。じゃあ候補者で一番役に立ちそうなのは……


「サエとか、役に立ちまくりじゃねぇか」


「それはどういう方面で」


「とりあえず金には困らなさそうだぞ。あの手この手で」


「恐いので勘弁。いつか捕まりそう」


「心配すんな。あいつは上手くやる。そして莫大な財産を」


「何の話をしている」


「じゃやっぱサユカでいいじゃねぇか。自分好みに育てろよ」


「うーん、どうしても犯罪に思えて」


 確かに。


「んじゃオレと付き合うか」


「そだな」


 ん。


 あれ?


「あ、メール。カカからか……あー、すぐに戻んなきゃ。悪いなテン、愚痴に付き合わせて。今日は奢る」


「おう、奢りなら文句はねぇ」


「ありがとな。じゃ!」


 何を急いでいるのやら。トメは早々に店を出ていった。


 やれやれ。


 ……ん。


 あれ?


「なんか暑いな。日本酒の冷でも飲むか」


 んー。


 さっき、何かハテナマークが飛んだような。


 まぁいいや。酔っててわかんねぇし。




 しかしまた久々になってしまった更新ですが、読んでの通りお話は進みます。いや、忙しいです。余裕ができたら書くと思いつつ余裕ができやしない。それでも山場かもしれないはちゃんと書いてやらないとキャラが可哀想なので(特にサユカとか)頑張りまっせ。

 や、今回の話みるとサユカが可哀想な展開になるかも? だけど。わからんよ! まだわからんよ! なにせカカ天だからね! 予想の斜め上とか普通だからね! でもたまに真っ直ぐいくからね!

 さてどうなるやら。

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