カカの天下901「あくしゅの真相」
どうもお久しぶりです。
このお話は899話の続きです、忘れた方はそちらからどうぞ。
こんばんわ、サエです。
『それで、カカすけとのケンカの原因はなんなのよっ』
現在時刻は22時。ベッドでゴロゴロしながらサユカちゃんと電話してるのですが、さっきからこの質問ばかりです。
「いわなーい」
そしてさっきから私はこの返事ばっかりしています。
『なんで言わないのよっ』
「だってサユカちゃん笑うし」
『いいじゃないのっ』
「よくないよー」
『何を今更』
「これは私のプライドの問題だよー」
『そんなもん捨てなさいよっ』
「サユカちゃんじゃあるまいし」
『わたしがいつプライド捨てたっていうのよっ』
「コスプレのとき」
『えぇ捨てたわよ悪かったわねでも捨てさせたのは君でしょうっ!』
「じゃー今度は私のプライドを捨てさせるために頑張ってみなよー」
『わかったわっ!』
しばらく沈黙された。考えてみると『相手のプライドを捨てさせるにはどうすればいいか』ってすごい難問なんじゃないだろうか。
『よし、とりあえず質問するわっ』
「どうぞー」
『サエすけ』
「はい」
『どうやったらプライド捨ててくれるの?』
「素直に聞いちゃったよーこの人」
気持ちはわかるけど。
「そだねー、プライドなんかどうでもいいやと思わせてくれればいいかなー」
『だからどうしろと』
「そんな小さなことはどうでもいいと思わせるような壮大な話でもしてくれる?」
『なるほど!』
納得しちゃった。
『宇宙!』
「確かに壮大だけど、その単語に何を感じろとー?」
『えぇと、宇宙に比べればわたし達は小さい!』
「そだねー」
『人から見たノミよりも小さい!』
「そだねー」
『そのノミより小さい者の考えなんて、もっともっと小さい!』
「そだねー」
『チビにも程があるっ! あってないものと同じっ! 誰もが無視するようゴミカスのよう、いいえ違うわ。ゴミカスなら汚いから神経質な人が気にするもの。空気? いいえ、空気が無ければ人は生きていけない。何の役にも立たず、誰も気にせず、視野にも入れない。存在すら知られない。宇宙から見た人間なんてそんなもんよ』
「…………」
『サエすけ、あなたはそんな存在なのよっ』
「…………」
『どう? 自分が如何にちっぽけかわかった? 背も低いし胸も小さいし――あれ? どこからか「だがそれがいい」という声が聞こえたような……まぁいいわ。とにかくそんな君のちんけなプライドなん――」
切ってやった。
数秒後、電話がかかってきた。
「もしもしー」
『なんでいきなり切るのよっ』
「イラッとしたから」
『なんでよっ』
いやーなんでも何も。
「切っていい?」
『よかないわよっ!』
でも切ってやった。
……またかかってきた。
『あのねぇ!』
切った。
かかってきた。
『ちょっと』
切った。
『サエす』
切った。
『あの』
切った。
『み』
切った。
……み?
何を言おうとしたんだろう。
あ、またかかってきた。
『ごめんなさいっ』
やっと謝ったか。
「うん、いいよー。ところでさっき『み』って何を言おうとしたのー?」
『知りたかったらプライドを捨てなさいっ』
おぉ、そこでそう来るか。逞しいなーサユカちゃん。
「そこまで言うなら話してあげるよー」
『やったわっ! わたしの頭脳プレーの勝利ねっ』
「サユカちゃんで遊んだら、ちょっとスッキリしたし」
『勝利は勝利だわっ』
ほんと逞しくなったなー。
『それでっ、カカすけとケンカした原因はなんだったのっ』
「私、カカちゃんのお尻触っちゃったの」」
『くだらなっ!!』
だから恥ずかしいって言ったじゃーん。
その頃のカカ。
「ほ、は!」
「……はて、握手だよなこれ」
「実は練習」
「何の」
「今度は私が触り返す」
「は?」
「えい、とお!」
「あれ? いい話になるはずだと思ったんだけどな。なんだろうコレ」
それは本人にしかわからない。
いやはや本当にお久しぶりです。
色々ありまして更新ストップしてました。震災やら昇進やら結婚やら色々とありましてねぇ。なんとか更新へこぎつけました。感想やメッセージでご心配の声を聞かせてくださった読者様、本当にありがとう。心よりお礼を申し上げます。もらった心の温かさを、カカたちを書くことで返せていけたらいいな、なんて思ってます。
さて。そんなわけで、今後のカカ天ですが……かなり日を空けてしまいましたが、当時からの時間枠で進めていきます。現在7月ですが、ここまでたどり着くのにどれだけかかるかは私次第となりますが笑
こんな私の書く話ですが、改めて1000話めざしていきますので、お暇があればお付き合いの程、よろしくお願い致します。