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カカの天下  作者: ルシカ
898/917

カカの天下898「恵みのある一年を願って」

「世も末だね」


「世も末だよー」


「世紀末ねっ!」


 年末だと言いたいだけです。あ、どうもトメです。もうすぐ今年が終わる直前、今夜は我が家にカカたち仲良しトリオが集まって、コタツに入りながら紅白を見ています。


「トメ兄」


「なんじゃらほい」


「紅白ってさ、なんで女性は紅なの。白の反対っていったら黒でしょ」


「ばかねぇカカすけ。黒だと『女性』って感じがしないじゃないのっ」


「え、でも」


 じー。


「なんで私を見るのー?」


「黒=サエすけ、ではあるけど。わたしたちにまでそれを当てはめないでほしいわっ」


「確かにサユカンは紅、っていうか真っ赤な感じだよね」


「燃え滾る恋の炎よっ!!」


「暑苦しい」


「なによぉ。ブラックホールみたいな黒よりマシでしょっ」


「だからなんで私を見るのー」


 やかましいやつらだ。


「あのなおまえら、昔から紅一点という言葉があってだな」


「紅組は一点しかもらえないのか」


「ひどいわっ! 男尊女卑の世界ねっ」


「サユカちゃん難しい言葉知ってるねー」


「だ、だんそ?」


「あら、カカすけってば知らないの? この言葉」


「知ってるよ! 昔、よく食べたよ」


 どうやって。


「辛口だよね」


 ワケがわからないながらも何となく合ってる気がする。


 と、まぁくだらないことを喋っているうちに時間は経ち、あと10分で年が明けてしまう。


「小娘どもよ、今年はどんな一年だった?」


 なんとなしに聞いてみると、三人は姉妹のように揃って「んー」と遠い目をして考え始める。


「今年の目標を達成できなかったわ、トメさんっ」


 なんで僕に言うサユカちゃん。


「来年こそ達成しますからね、トメさんっ」


 だからなんで僕に言う。


「ちゅーできなかったねー」


「いいいいい言うなサエすけっ、ていうか何で知ってるのっ」


「私はなんでも知っているー」


 それもなんでだ。


「最初の目標は結婚だったんだよねー」


 ごふ!


「ふん、わたしも中学生になって勉強したわっ。この歳じゃまだ結婚はできないって」


 も、もうちょっと早く学ばれてもよろしいんじゃなかろうか?


「だから目標変更を余儀なくされたのよ。来年は必ず達成しますからねっ」


 きゅぴーん、と開き直って俺を狙うサユカちゃん。相変わらず反応に困る。とりあえず何を言っても茶化されるのは目に見えているので沈黙する。


「じゃー私の目標はそれの阻止でー」


「なーんーでーっ!?」


「困ってるサユカちゃんが可愛いからー」


「いいもんっ、困ってあげないもんっ」


 そうやって不貞腐れてるほうが可愛いぞ、などとは思っても口にしない。周りがうるさいから。え、二人きりなら言うのかって? おまえもうるさい。


「そもそもサエすけの今年の目標はなんだったのよっ!?」


「いくらだっけなー」


「金額なのっ!?」


 もう何回も心の中で言ってるけどあえて繰り返そう。なんでだ。


「カカすけもなんとか言いなさいっ」


「なんとか」


「あぁもうわたしの友達ってこんなんばっかりっ!」


 何を今更。


「で、随分と考え込んでたけど。どうしたんだカカ」


「や、今年ってあんまりイベントなかったなぁと思って」


「ふむ、確かにな」


 むしろ小学校時代に色々とありすぎた感じだけどな。今年はカカは中学に上がり、僕の仕事も忙しいことが多かった。


「なんでだろ」


「それが大人になるってことなのかなー」


「むっ、そういう言い方、なんか嫌ね。どんどんつまらなくなってく気がするわっ」


 中学の段階でそんな結論に達するのもどうかと思うが、こいつらを見ていて小学生はいいよなー楽しそうで、とか思っていたのは事実だ。


「よし、来年の目標を決めたよ」


「トメさんの唇は渡さないわっ」


「あげるよそんなもん」


「私にもくれるー?」


「や、サエちゃんのが私のだからダメ」


「そだねー」


「そうなのっ!?」


 おまえらにとって僕は何なんだ。


「とにかく、来年の目標は」


 なんとなく想像はつく。


 面白いことを探していこうとか、そんな――


「私、もっと面白くなるよ!」


 微妙に違った。


 ……え。


「話題性を増やす」


 ……もっと?


「新しいボケを探す」


 ……もっと?


「トメ兄がツッコミに忙しくなるくらい」


 も、もっと!?


「変なやつと思われても、泣かない!」


 こいつは一体どうなるんだ。


「あ、年あけるよー」


「あと一分ねっ」


 一分後、妹は一体どうなってしまうのやら。恐い。ともあれ愉快な一年を願って――




 皆さん、あけましておめでとうございます。今年もよろしく!!




 あけましておめでとうございます!!(遅


 ようやく書けました!


 大晦日の話が(超遅


 いやね、ちょっと来月からとある居酒屋の店長さんやることになったりと色々と忙しかったんですよ(マジ

 しかしカカの言うとおり、去年はイベントが少なかった。リアルの方では怪我するわおたふく風邪なるわ異動の嵐だわで盛り沢山だったんですが、カカ天のほうはいまいち書ききれなかったです。せっかくこいつらが中学生になったのに……成長の過程としてはある意味リアリティがあるかもしれませんね。しかしそれだけでは面白くない(私が

 今年も忙しくなること必至です。しかし!

 カカ天だけでなく、色々なことを書いていけたら、と思います。公開するかは別として。


 ではでは皆様、大幅に遅れまして本当に申し訳ないのですが、カカたちともどもヨロシクお願いいたします!

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