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カカの天下  作者: ルシカ
890/917

カカの天下890「誕生日を祝え、そのさん」

 どもどもどーも、引き続きおめでとう作戦を実行します。中学校にて部活中の友達を直撃!


「あん? どうしたよカカ。わざわざオレに会いに来たのか」


「しまった」


「んだよ、会うなりその言い草は」


 足が勝手に小学校のほうへ向かってた。ここに来ても今の学生友達はいないっていうのに……とはいえ、こっちにも知り合いは沢山いるんだけどね。


「何がしまったなんだよ」


「息を口の中にしまった」


「何が言いたい」


「呼吸した」


「『今なにしてる?』と聞かれて『息』と返事する問答と似たようなもんか」


「それそれ」


「いきなりそんなこと言うなんておまえ変なやつだな」


「何を今更」


「ほんとだな。それはさておき元気でやってんのか」


「さみしい」


「微妙に話が繋がってないような気がするが……まぁオレも寂しいかな」


「教師Aの授業がつまんなくてさ」


「あんにゃろ、卒業式で俺に任せとけみたいなこと言ってたくせに。一体どんな授業してやがんだ」


「すごく面白くない。だって怒声もなければ暴力もないし、暴言すらないんだよ?」


「そりゃつまらねぇな」


「でしょ? テンカ先生の授業じゃいつもあったのに」


「オレが直接Aに会って教えてやるしかねぇか。怒声と暴力と暴言とエクスタシーで」


 エクスタシーって何。


「うん、お願い。じゃないと授業=居眠りの時間になっちゃうよ」


「わかった。任せとけ。授業=戦争にしてやる」


 授業は楽しく激しくないと勉強できないからね。眠くて。


「ところで先生、私に何か言うことはないの?」


「あん? あぁ、誕生日おめでと」


「おお、覚えててくれた」


「ったりめぇだ、生徒全員の生年月日くれぇ覚えるのが教師だ」


「テンカ先生って喋り方そんななのにマジメなとこマジメだよね」


「はん、褒めても何もでねぇぞ」


「誕生日プレゼント出してよ」


「ああ、怒声と暴力と暴言でエクスタシーでいいか?」


 エクスタシーって何。


「それ授業中以外でやったら単なる恐い人になっちゃうよ」


「そだな。授業中以外でやっちゃいけないよな。ん、じゃあAにもやったらいけねぇのか」


「教師についての授業だからいいんじゃない?」


「それもそだな」


「じゃ先生、私は他の人にもおめでとうと言ってもらいに行ってくる」


「おう、教頭は中庭、校長はインドだ」


「わかった、教頭だけ会ってくる」


「おう、またな」


 そういやエクスタシーって何だったんだろう。


「それよりもインドだ」


 相変わらず校長先生は何をしてるかよくわからない。さてさて中庭……お、いた。


「教頭せんせ」


「む、カカ君か」


「お久しぶりです」


「知っているか? ここでは本校の生徒じゃない人間は不法侵入扱いされるんだぞ」


 久々に顔見せる生徒にそんなこと言わなくても。


「というわけでまたうちの生徒になりなさい。君がいなくて寂しいのだ」


 と思ったら不意打ちに嬉しい言葉がきた。やるなデストロイヤー。何を壊してるのかよくわかんないけど。


「私みたいな愉快な生徒は他にいないんですか?」


「うむ、さすがに教頭にハゲカツラをかぶせるような生徒はいない」


 あ、卒業式のアレ根に持ってたのか。


「残念だねぇ。復帰してあげましょっか?」


「やはり遠慮しておく。ハゲカツラは二度とごめんだ」


「この先カツラじゃなくそうなるかもしれませんよ?」


「ならん。私はハゲん」


 なぜ断言できるのかフシギだけど、この人が言うと本当にならないような気がする。


「そうそう、話は変わりますけど」


「ふむ?」


「校長、インドにいるんですよね。何をしてるんですか?」


「カリーを食べておる」


 インドちゃん羨ましがりそー。


「今朝メールが来たのだが、見るか?」


 教頭が差し出した携帯を覗いてみる。


 画面にはこう書かれてあった。


『美味しすぎて鼻血が止まらないですわおほほ』


「辛いカリーを食べすぎたらしい」


「あの、前から聞こうと思ってたんですけど」


「なんだ?」


「校長が外国に行くのって、仕事ですよね?」


「無論だ」


 無論なんだ。めっちゃ論じたいこといっぱいあるんだけど。


「ところでカカ君は何をしに来たのかな。遊びに来ただけかね?」


「えっと、私ですね。今日誕生日なんですよ」


「誕生日に小学校に来る意味がわからん」


 正論ですハイ。


「お、おめでとうって言ってほしいなーなんて」


「おめでとう」


「あ、ありがとうございます」


「ではプレゼントにこの言葉を送ろう。『常識を壊せるのはせいぜい中学生までだ。今を大切に謳歌するように』以上!」


「はい! ありがとうございます!」


「解散!」


「さようなら!!」


 ふー、教頭は相変わらずだなぁ。しかし勉強になった。中学校にいるより勉強になった。小学校って偉大だな。もっと頑張れ中学校。というか教師A。


「さて、次こそ中学校へ向かおう」


 結構時間を取られたけど、まだまだ部活してる人が多いはず。れっつらごー。




 なんかこのまま全員に行くとなると思ったより時間かかりそうですな。まぁカカの誕生日からサエの誕生日までひっくるめて『誕生日のお話』ってことにしときましょう。相変わらす誕生日関係ない会話してますけど笑


 ま、いつもどおりのんびりお付き合いくださいなー。

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