カカの天下881「夏に売れるよ、がんばれタケダ」
夏に売れるものシリーズ!
売れるものその一、アイスクリーム。定番ですね。
「サエでーす。私はいま、あまーいバニラとストロベリーのアイスパフェを食べてます。幸せですー、つべたー」
「サエ、おかーさんにもちょーだい」
「おかわり」
「ご馳走様って言うかと思えばそれを飛び越えておかわりするのー!? もー! サエのいけず! 大好きー!」
売れるものその二、カキ氷。これも夏の定番です。
「カカです。私はいま、メロンのカキ氷を食べてます。私的にはこの味が一番好きです。んー! ちべたい!」
「なぁカカ、あんまり冷たいものばっかり食べると腹壊すぞ」
「知らぬ」
「壊してもいいんか」
「今が幸せならいい」
「後悔しないか」
「する」
「するんかい」
「人間だもの」
売れるものその三、ゲリ止め。皆、冷たいもんばっか食べるからね。
「ぬぉぉぉぉ……タケダだ……いま、トイレで……ぬぉぉぉぉ……アイスを食べ過ぎた……」
売れるものその四、帽子。
「サラです。私はいま麦わら帽子をかぶって、ひまわり畑を散歩しています」
「イチョウことアサカです。お姉様はまるで良家のお嬢様のようですわ」
「ヤナツだ。ま、絵にはなってるよな。ひまわり畑、麦わら帽子、白いワンピース、白い胸元」
「どこ見てるの!?」
「じゃあ白い皿」
「あんたまで皿とか言うの!?」
「けけけ」
「もう、二人とも! ひまわり畑に笑われますわよ?」
「……笑われる?」
「……この、四方八方にあるひまわり畑に?」
くけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけ――
「笑うひまわり畑、素敵ですわよね」
「いや恐い」
「鳥肌立った、恐すぎる」
「どんな笑い声を想像なさったんですか二人とも」
「そういうアサカはどうなのよぅ」
「もちろんメルヘンに、うふふ、あはは、みたいな」
うふふ、あはは、うふふふふ、あはははは、うふふふふふふふふあははははははははははははははははははははははははははははははははは――
「やっぱり恐いんですけど」
「むむ、ではひまわりに口が生えてですね」
「それ以上恐くするな!!」
売れるものその五、栄養ドリンク。夏バテにはこれだね。
「はぁ……ハァ……〆切り、シメキリが目の前に……」
「どうもキリヤです。隣で死にそうになっているのは作家のユカさんです」
「こんな安い栄養ドリンクじゃダメ……も、もっと高いのを、もっとキクやつを買ってきて!」
「夏とか関係ありませんねこの人」
「夏コミだから関係あるわよ」
「仕事じゃなかったんですか!?」
「あーあー人生の大仕事よ! 文句あっか!?」
「ありません!」
売れるものその六、さらにゲリ止め。
「またかぁぁぁぁぁ……なにを思って他人のトイレを二度も実況するのかぁ……ふんぬぅぅぅぅぅぅ……それだけ売れてるのかゲリ止めぇぇぇ……」
売れるものその七、凍らせたスポーツドリンク。運動する人に必須!
「カツコだ! んめーなこのでっかいガリガリくん。あん? かじるもんじゃない? 使用法が違う? 美味けりゃいいんだよ」
売れるものその八、あえて辛いもの。暑いときこそ美味しいですよね。
「ニッシーだぁ! っくぁー! カレーうめー! かれー!! あっちー!」
「でしょでしょ? えへへ」
「アヤだけど。ちょっとインドちゃん、ニッシーとくっつきすぎじゃない?」
「わ、カレーよりもこっちのほうがお熱い」
「インドちゃん!? そんなこと言うキャラだっけ!?」
「うるさいなぁアヤ坊」
「ニシカワ君、それが愛だよ」
「だからインドちゃんキャラおかしいから!」
「そりゃカレーに関わることだからな」
「え! かなりカレーと離れたこと言ってない!?」
「カレーは愛だよ!!」
「なんかごめんなさい!!」
売れるものその九、やっぱりゲリ止め。
「ぬぅぅぅっ……辛いものも食べすぎたぁぁぁ……インド君めぇぇぇ……美味かったが辛すぎるものを食べた後にコレは地獄だぁぁぁ……」
売れるものその十。
もうゲリ止めしかない。
「ていうか……ゲリ止めのくせに止まってないのはなんでだ……ぐふ」
ご愁傷さま。え、ところで実況してる私は誰かって? それはね。
「――と、タケダ君は死んでしまいましたとさ。可哀想に」
「ユカさん? 何してるんですか」
「え、休憩のラクガキ」
「〆切り間近で死にそうだったんじゃないんですか!? なんで余計なもの書いてるんですか!! 休憩なら書くのやめましょうよ!!」
「あーあー、作家の休憩なんてこんなもんよ?」
「そんなだから栄養ドリンクばっか買いにいく羽目になるんですよ! 私が!」
「あ、ゲリ止めも買っといてね。体調ゲキヤバだから」
「彼女にそんなこと言われたくないです!!」
「買ってきてくれないの?」
「今すぐに!!」
「今すぐゲリはしないけど」
「汚い! そういう言葉使わないでください! お願い! 夢が壊れる!!」
「夢を壊すのが私たち作家の仕事だ」
「夢を作るんでしょう!」
「作って壊すのよん」
「壊さないで!!」
「わ、わかったわよぅ。そんな泣かなくてもいいじゃないの」
皆もお腹の調子が悪くなったときに失言しないようにね。じゃないと彼氏に泣かれちゃうよ。なぜか。
ちょっと汚い話でごめんなさい。
まぁ、このくらいいいよね(何の基準だ)。
皆さんもお腹の具合にはご注意を。ちなみに私は盛大に壊しました。死ぬかと思いました、まる。